249大切な口腔ケア 6-⑥

お口の健康が“美味しく食べる”を叶えます

  「食べ辛いので歯を診てほしい」とご相談を受けることがありますが、歯があれば良いというものでもありません。
 食事は、食物を認知することから始まります。香りや調理の音を聞くだけでも体が唾液や胃液を分泌して食べる準備を始めるのです。そうして、実際にかむことで食材を食道へ送り込み、味わいながら栄養分の消化・吸収を促していきます。その時、良好に機能する歯も大切ですが、口の周りにある筋肉、特に舌の働きが重要になります。咀嚼するとき、頬や舌の筋肉に支えられないと歯の上に食材が乗りません。舌の上にある食材を舌が奥に運んで飲み込みます。その際、食道ではなく空気の道である気管に入る誤嚥を防ぐために、気管の上にある蓋(ふた)を舌が引っ張って閉めています。従って、食事が難しいという訴えに舌の体操などを指導することも少なくありません。
 口の健康とは、歯のことばかりに注目しがちですが、半年間の連載でもわかるように様々な機能が関連しています。毎日のおいしい楽しい食事や笑顔は、生活を豊かにし、元気に長生きする秘訣です。健康を維持・向上するには自分の努力だけでは難しい場合もあるので、信頼できる歯科医療者をぜひ、見つけて人生を楽しまれてください。  
 日本大学松戸歯学部 特殊歯科 専任講師 遠藤眞美

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