ふなちゃんの音楽ジャングル

VOL . 167 時をかけてきた、うたの花束 

音楽と私 / 原田知世

原田知世が、映画「時をかける少女」(1983)に主演して、華々しくスクリーンデビューしたのは15歳のときでです。そんな彼女が、とっても素敵なデビュー35周年記念アルバム「音楽と私」をリリースしました。今までの代表曲を、しかもすべて新しいアレンジでセルフカバーしたというリメイク・アルバムなんです!
原田知世のシンガーとしてのキャリアは、大きく3つの時期に分けられます。著名なミュージシャンから優れたポップソングを提供されて、そこに託された少女像を歌を通じて表現した80年代。「天国にいちばん近い島」「早春物語」「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」など、話題の青春映画に主演して、まさに80年代を体現していた時期です。次に、鈴木慶一やトーレ・ヨハンソンなど様々なミュージシャンとのコラボレートを通じて、シンガーとしての新しい扉を開いた90年代。そして、伊藤ゴローという新たなパートナーを得て成熟した歌声を聴かせるようになった2000年代以降です。今回のデビュー35周年記念アルバムも、彼によるプロデュースとアレンジによって、まさに「時をかけてきた、うたの花束」が届けられました。2007年にリリースされた「music & me」でもセルフカバーされていた「時をかける少女」は、伊藤ゴローのギターだけをバックに歌われていましたが、今回はストリングスが印象的なアレンジで、アルバムのオープニングを飾ります。ピアノだけをバックに歌う「天国にいちばん近い島」、アイリッシュ音楽のグループ、tricolorが参加した「空と糸 -talking on air-」、自らが近年の代表曲という「うたかたの恋」、そして彼女自身の弾き語りから始まる「くちなしの丘」まで全10曲。ああ、いい曲がいっぱいだなぁ……。
「恋愛小説」(2015)、「恋愛小説2~若葉のころ~」(2016)で、洋楽とJポップのカバーアルバムをリリースし、今回のセルフカバーアルバムで大きな区切りとなるのだと思います。次のオリジナルアルバムが、今から待ち遠しいのです。


船守秀一(音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)

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