ふなちゃんの音楽ジャングル

VOL . 185 極上の室内楽ポップはいかが

Rosa / Luisa Sobral

 今回ご紹介するルイーザ・ソブラルは、現在、ポルトガルでもっとも高く評価されている女性シンガー・ソングライターです。2017年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストで優勝したサルヴァドール・ソブラルのお姉さんでもあり、その優勝曲「Amar pelos dois(二人の愛)」を作曲したことでも知られます。
 デビューは2011年で、今回のアルバムが通算5作目にあたり、タイトルの『ローザ』は、昨年5月に出産した二人目のお子さんの名前だそうです。そして、内容が本当に素晴らしい。アコースティック・サウンドといえば簡単ですが、ギターやエレピに加わる管楽器の室内楽的なアンサンブルと、彼女の素朴ながらも味わい深い歌声がとても暖かい気分にさせてくれます。聞けば、そのほとんどが一発録音なのだとか。つまり、音をいろいろと重ねて録音したりせず、まさにオーガニックな制作過程によって生まれた楽曲たちなのです。YouTubeで公開されている「O Melhor Presente(最高の贈り物)」がアルバムを暗示しているようだったり、サルヴァドールとのデュエットで歌われる「So Um Beijo(ただキスを)」の、姉弟によるハーモニーのこの上ない美しさに唸ったり……。ギターの弾き語りというスタイルでさらに素朴に歌われる「Envergonhado(恥ずかしいながらも)」でアルバムは幕を閉じるのですが、それを聴き終えて私は、ぜひともこのアルバムを多くの音楽ファンに大推薦したいと思うようになっていました。
 ファドやボサノヴァといったポルトガル系音楽が持つ洒落た雰囲気に、フレンチ・ポップやジャズのニュアンスを加えた音楽性で大きな人気を博してきたルイーザ・ソブラル。そのひとつの完成形を伝えてくれるようなアルバム『ローザ』。お部屋を暖かくして、ゆったりと寛ぐひとときに聴いてみてください。

【ふなちゃんの豆知識】
 ユーロヴィジョン・ソング・コンテストは、欧州放送連合加盟放送局によって開催される、毎年恒例の音楽コンテストです。


船守秀一(音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)

Copyright(C) 2012 RESUKA Inc. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

朝日れすかのホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

ページトップへ