ふなちゃんの音楽ジャングル

VOL . 164 浜田真理子×久保田麻琴 

浜田真理子/タウン・ガール・ブルー

浜田真理子。1964年、島根県松江市生まれのシンガー・ソングライターであり、ピアニストです。ファーストアルバム『mariko』(1998年)が大型CDショップの試聴器でロング・ヒットをしたのは、再プレスされた2001年以降のことでした。翌年、廣木隆一監督映画『ヴァイブレータ』に彼女の曲が使用されたことも話題となり、2008年に公開された、地元島根を舞台にした映画『うん、何?』では音楽を担当しました。雑誌「AERA」の現代の肖像コーナーで5ページにわたって取り上げられたのもこの年でした。また、その頃流れた「国境なき医師団」のキャンペーンCMでは、書き下ろし曲「ひそやかなうた」が使われて反響を呼びました。『あなたへ』(2002年)、『夜も昼も』(2006年・大友良英プロデュース作品)、『うたかた』(2009年)、『But Beautiful』(2013年)と、素敵なアルバムを作り続けた彼女は、今年、久保田麻琴全編プロデュースによる6枚目のアルバム『タウン・ガール・ブルー』をリリースしたのです。
 一方、夕焼け楽団で名を馳せた久保田麻琴は、細野晴臣とも親交が深く、ワールドミュージックやヒーリングミュージックにも造詣が深い音楽家であり、プロデューサーです。彼は、浜田真理子のファーストアルバム『mariko』をとても愛していたそうで、そのかんじを今また違うアプローチをやりたかったのだとか。彼女曰く、「元は泥水でそれをろ過したもの」になったそうで、過去のアルバムとは全然違う、素晴らしい出来映えになっているのです。そして、今回はオリジナルだけでなく、古いアメリカン・ポップスや、あがた森魚の曲などをカヴァーしています。
 2008年に、演出家久世光彦のエッセイを題材にした音楽舞台で共演した小泉今日子は、「久保田さんが連れてきた夕焼けを、真理子さんの声が青い夜の色に染めてゆく。このアルバムを聴くことは大人の嗜みのような気がした。」と語っています。まさにDown to Earthな(地に足のついた)名盤の誕生です。


船守秀一(音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)

Copyright(C) 2012 RESUKA Inc. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

朝日れすかのホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

ページトップへ