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朝日新聞柏支局長のコラム

引きこもり

 5月末、川崎市で小学校の児童ら20人が殺傷される事件が起きた。容疑者が引きこもり状態だったことが関連して報じられると、「引きこもり=危険」という誤解と偏見を助長しかねないという声もあがった。
 引きこもりによる「孤立」で苦しんでいる人たちがいる。様々な意見があるだろうが、社会的孤立を防ぐ支援や対策が必要なのは確かだ。
 今月1日付の県版で、引きこもりで苦しんでいる人たちを支援する話を紹介した。我孫子市の美容師らの若手グループが、ヘアカットなどをして外出を後押しするイベントを同市の美容室で定期的に開いているという話だ。ヘアカットだけでなく、服装のコーディネート、女性ならメイクのアドバイスをし、写真も撮影する。おしゃれに変身して自信を持ってもらおうというのが狙いだ。
 イベント参加者からは前向きな言葉が聞かれた。長年、引きこもり状態の41歳の男性は「生まれ変わった気がして楽しい」。うつ病を発症し、社会復帰を目指している22歳の女性は「気分が明るくなるし、頑張ろうという気持ちになる」と表情を崩した。
 グループの責任者を務める男性美容師は「外見を変えることで、何かを始めるきっかけになれば」と話している。
 支援にはいろんな形がある。こうした地道な活動が少しでも広がれば、と思っている。

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