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朝日新聞柏支局長のコラム

成 長

 先月、「愛ちゃん」と親しまれた卓球女子の福原愛さん(30)が引退を表明した。卓球を人気競技に引き上げたと言っていい存在。ニュースを聞いて感慨深い気持ちになった。
 実は福原さんが子どものころ、数年間、取材したことがある。当時、スポーツ部の記者として卓球も担当。小学生から中学生のころまでの福原さんの姿を見続けた。
 小学生のときは取材が大変だった記憶がある。「泣き虫愛ちゃん」と呼ばれ、納得いかないプレーが続くと泣いてしまう。母親と一緒の記者会見でも不機嫌だと簡単に話してくれなかったこともあったと思う。
 気になって当時、書いた記事を探してみた。小学5年だった1999年12月の全日本選手権ジュニア女子の準決勝で敗れたときの記事では「試合後は不機嫌そうな顔をすることが多かったが、今後の日程を聞かれると『ディズニーランドに行く』と11歳の笑顔が戻った」と書いている。
 卓球担当から外れて成長していく福原さんを取材する機会はなかったが、精神的にも大人になった姿をテレビなどで見て少しびっくりもした。ファンから愛される選手になったことにほっとした感情もあった。
 スポーツ選手に限らず、子どものころ取材した相手を、数年後に取材することがある。再会してうれしいのはその成長した姿。これも記者として喜びを感じる瞬間でもある。

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