読者投稿オリジナル童話

ぽーちゃんとのやくそく

船越 ちよ(柏市 主婦・59歳)

 

  たまごからそだてたほたるのようちゅう、『ぽーちゃん』をおがわにかえすひがきました。
「さよなら ぽーちゃん、げんきでね。そして、わたしのこと わすれないでね」
 こころのなかでつぶやきながら、ちーちゃんは、ばいばいしました。
そのひから、ちーちゃんは、まいばん ないていました。
「ぽーちゃん ないてないかな……。おなかすいてないかな。さみしくて、しんじゃったら、どうしよう……」
 ところがあるよる、ぽーちゃんがちーちゃんのゆめのなかに、やってきました。
「ちーちゃん、なかないで。ほら、わたし、こんなにおおきくなったの。とべるのよ。ちーちゃんにも、まほうのこなをかけてあげるね。いっしょに、ほたるのくににいきましょう」
「わぁ~い!」ちーちゃんは、うれしくて、うれしくて、くるくる……まわってしまいました。そして、せなかにぽーちゃんとおなじはねがはえると、ふたりは てをつないでとびたちました。
 ほたるのくにでは、しろいほたるぶくろのちょうちんが、たくさんひかっていました。きれいなおがわでは、めだかやみずすましや あめんぼうさんたちもほたるたちと、いっしょに、おまつりをたのしんでいました。
 よぞらにはなびのはながさき、とらんぺっとのおとがすると、おうじさまがでてきました。おうじさまは、ちーちゃんにやさしくはなしかけると、ぽーちゃんをそだててくれたおれいに、きんいろにひかるかんむりをくれました。それは、ほたるのくににだけさく、ちいさなほたるぶくろのはなで、できていました。
 ちーちゃんは、わらって、おどって、たくさんおしゃべりして、くたくたになりました。
 そして、おわかれのときがきました。 「ぽーちゃん、きょうは ありがとう。ぽーちゃんやほたるのくにのおうじさまやみなさんにあえて、とてもうれしかった。わたしぽーちゃんのことわすれないよ。ぽーちゃんもわすれないでね。きょうのおれいに、ぽーちゃんやほたるのくにのみんなが、いつまでもげんきにくらせるように、かわをよごさないからね。ずうーっと! ずっとだよ。ぽーちゃんにやくそく げんまん」 ちーちゃんは、ぽーちゃんとゆびきりをしてみつめあいました。
 そのよるから、ちーちゃんはなかなくなりました。
 そして、おかあさんとかわをきれいにするかいにはいって、げんきにかわのおそうじをてつだうおねえさんになりました。

 




童話作家緒島英二さんより

主人公とほたるとの出会いと別れが、いつまでも胸に残ります。大きな一歩を踏み出していく主人公の姿に、共感を覚えます。

 

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