読者投稿オリジナル童話

おじいちゃんのお友だち

福山 フミ子(つくば市 無職・70歳)

 

 よしおは小学校一年生。学校から帰るとおじいちゃんがいそがしそうにしているのが見えました。
 ただ今、どうしたの? ふしぎに思ったので聞いてみました。
 あっよしおか、おかえり。さっきからおじいちゃんの友だちをさがしているんだ。 と言います。
 え? かくれんぼしているの? ぼくもかくれよう、おじいちゃんさがしてね。 と言ってランドセルを机に置いて奥の方へとかけて行きましたが、何かちょっとちがいます。
 よしお! 来てごらん。 振り返っておじいちゃんに近づくと説明が始まりました。
 実は友だちというのはね、ラジオのことなんだ。いつもポケットに入れてイヤホンで聞いているスマホぐらいの小さなケイタイラジオのことなんだ。とても役立つんだよ。
 毎日の出来事を教えてくれたり、なつかしい音楽を聞かせてくれたり、お笑いの人も出るよ。
 みんなわかりやすく教えてくれるのでとても良い勉強になるんだ。おじいちゃんはくわしく話してくれました。
 楽しそうだね。ぼくもいっしょにさがしてあげるよ。 そうだったのか、友だちというのは小さいラジオのことだったのか。そういえばいつも耳から何か下がっていることを思い出しました。
 しばらく二人でさがしましたがなかなかみつかりません。
 アーつかれた。 ソファにすわったよしおはイスとイスの間に何か黒いものを見つけました。
 これかな! おじいちゃんあったよ。 とんで来たおじいちゃんは良く見つけてくれたね。ありがとう、ありがとうと言って二人で喜び合いました。
 よしおは夕飯の時、おじいちゃんと顔を見合わせてクスッと笑い合いました。

 




童話作家緒島英二さんより

よしおくんとおじいちゃんとの関係が、ほのぼのと心温かく伝わってきます。お友だちのラジオが見つかってよかったですね。

Copyright(C) 2012 RESUKA Inc. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

朝日れすかのホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

ページトップへ