ふなちゃんの音楽ジャングル

石川紅奈/『Kurena』

　　石川紅奈。彼女がベースの弾き語りで独演したマイケル・ジャクソンの「オフ・ザ・ウォール」がYouTubeで公開され、すでに170万回に迫る再生数で、世界から絶賛のコメントが寄せられています。そして、ついにはアメリカのジャズの名門ヴァーヴからデビュー・ミニ・アルバム『Kurena』がリリースされたのです! アルバムにはスティーヴィー・ワンダーと、一昨年に亡くなったチック・コリアの曲を大胆かつ粋なアレンジでカヴァー。彼女自身のオリジナル曲も秀逸です。
　ウッド・ベースを弾きながら歌うアーティストといえば、エスペランサやニッキ・パロット、カンデ・イ・パウロのカンデ・ブアッソらが有名ですが、彼女も負けず劣らずの素晴らしさなのです。それもそのはず、世界的なピアニスト小曽根真が奥さんで女優の神野三鈴と立ち上げた「From Ozone Till Dawn」のメンバーにも選ばれ、アルバム・プロデュースだけでなく自らもピアニストとしても参加しているんです。
　彼女が今まで辿った道をご紹介するにはスペースが足りませんが、ウッド・ベースとの出会いや小曽根真との出会いなど、とても興味深いのでネットを検索してみてください。彼女のように「From Ozone Till Dawn」に掲載されている若いアーティストは現在12名。WBCで優勝した若い野球選手たちもすごかったですが、ジャズ界もすごいんだよなぁ……。ちなみに「夜が明けた時、荒涼とした世界ではなく、皆さんが育んだ音楽があふれた世界でありますように」と、そのHPには記されています。いいね!!

船守秀一（音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)