一輪車フリースタイルで世界2連覇 松戸の木村さん、ミス乗り越え演技圧巻

 一輪車が、フィギュアスケートのように滑走し、スピンし、ジャンプする。一輪車のフリースタイル競技。今夏、オーストリアで開かれた国際大会で、松戸市の木村柊弥さん(25)=松戸一輪車クラブMIC所属=が、高い表現力で2連覇を達成した。

優勝メダルを手にする木村さん=家族提供

 一輪車の世界最高峰の大会UNICONは、隔年で開催されている。今年は7月25日~8月7日にオーストリアで開かれ、短距離や長距離、バスケなど30以上の種目で、選手たちが競い合った。

 木村さんが出場したのは、男子ソロ演技部門「Freestyle Individual Expert Male」。体育館の広いフロアを使い、音楽に合わせて演技する。木村さんが使ったのは「るろうに剣心」の劇中の曲。演技のテーマは「闇と光」だ。

 前回チャンピオンの木村さんがフロアに立ったのは、8人の出場選手の最後。先に演技した7人は、いずれも見事な技を繰り出し、プレッシャーを感じた。自分の番になると、会場アナウンスが「前回チャンピオン」と伝えた。「もう、会場から逃げ出したくなった」。震えが止まらない。それでも、曲が静かに流れ始めた。

 序盤で、手痛いミス。落車した。それでも、一輪車から手を離さなかったので、減点は大きくない。ここから一気にギアが上がった。ジャンプしながらの回転、高速スピン……。曲調も次第にテンポアップ。自らの爆発するような感情に、体が勝手に技を合わせてくれた。最後は、一輪車から崩れ落ち、体を床に投げ出した。これまでの練習で、一度もしたことのない表現方法だった。

 3分間の渾身の演技。審査結果は、テクニカルが8人中6位。しかしパフォーマンスで1位となり、僅差で2位を突き放した。「自分がやってきた表現が認められ、うれしかった」。喜びがこみ上げた。

松戸市役所を表敬訪問した木村さん=松戸市

 母親が一輪車の指導者だったことから、小学4年生の時から乗り始めた。当時はテニスをしており、「体幹を鍛えるのにいい」という思いもあった。ソロに挑戦し始めると、一気に楽しさに目覚めた。「一輪車の面白さは、ダンスにはないスピード感」と話す。

 今は、会社員として働きながら、競技に取り組む。周囲からは「UNICONで3連覇して」と声を掛けられるが、そろそろ次のステップに目が向いてきた。「一輪車を頑張っているけど、指導者がいない子どもたちがいる。そんな子たちに『もっと楽しいよ』『こんなこともできるよ』と伝えていきたい」。新たに目標に向かって、またペダルをこぎだす。

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