松戸市立博物館で9月19日から、二つの特別資料展が始まった。一つは「牧を駆ける ー野馬奉行・牧士・村人たちー」。江戸時代に松戸で馬を育てていた「牧」にかかわる人たちを、新資料とともに紹介する。もう一つは「てきおう!先史松戸の生存戦略」。旧石器時代から縄文時代にかけ、気候変動による環境変化に当時の人々がどのように適応したかを、伝える。

牧は、江戸幕府が野生の馬を放し飼い状態で育てるために、土手で囲った広大な台地。房総各地に広がり、松戸には「小金牧」があった。展示では、小金牧を治めていた野馬奉行や、牧を管理する実務にあたった牧士、馬を生け捕りにしたり、工事にあたったりながら、一定の恩恵も受けた村人たちを、それぞれの視点から描き出す。
今回は、野馬奉行の綿貫家、牧士の安蒜家に伝わる資料も新たに紹介。安蒜家の資料には、小金牧周辺の開発を願い出る文書や開発計画の図、周辺の村々が牧に飼い犬が入り込まないようつないでおくことを約束した文書などがあり、当時の暮らしが生き生きと伝わってくる。
また、戦国時代に建てられ、その後改修されながら現存する安蒜家の母屋や長屋門について、その構造が分かる模型も新たに製作され、展示されている。

一方の「てきおう!先史松戸の生存戦略」では、松戸に人が暮らし始めた約3万年前から縄文時代までの気候の変動に着目。冷涼な気候の旧石器時代から、温暖化による海面上昇で現在の松戸市域まで東京湾が迫っていた縄文早期を経て、暮らしがどのように変化していったかを、市内から発掘された石器や土器などを通じて伝える。地中に遺された花粉から、縄文時代中期からクリの木が急増したことが分かるデータも紹介。当時の人たちが、食料や木材として有用なクリを、意図的に増やした可能性があるという。

展示は11月8日まで。特別資料展の観覧料は無料。常設展示も観る場合は入館料が必要。期間中、講演会やギャラリートーク、ワークショップが開催される。詳細は博物館HPへ。
また、小金牧で育てていた馬につけた焼き印の絵柄入りクッキーも販売する。3枚入り390円(税込み)。


