どうなる? 柏駅東口再整備 市が事業検討案を6月に公表、各ビルが意見集約へ

 JR柏駅東口の旧そごう柏店の建物が、ついにダブルデッキ上の視界から消えた。駅東口の再整備に向け、年末までには解体が終わり、土地は柏市に引き渡される。その後、東口はどうなるのか。市は今年6月、東口駅前再整備にあたり、建物などをどう配置するかの施設配置検討案を公表した。建設費高騰のため、駅前再開発が各地で苦戦するなか、実現に向けて大きく踏み出すことができるのか。その動きが、注目されている。

JR柏駅東口再整備の検討案の一つのイメージパース。駅直結のビル(図左側)の前に広場が整備されている=柏市の報告書より

 柏市が6月1日に公表した「柏駅東口駅前再整備実現化方策検討業務委託報告書」の概要版では、東口の駅前再整備の配置検討案として3案をあげた。いずれの案にも共通しているのは①東口の現在のダブルデッキエリアに駅直結の新たなビルを建て、その先の「スカイプラザ柏」エリアを広場にする②そごう跡にビルを建て、「ファミリ柏」と旧マルイが入る柏駅前第一ビルのエリアもビルを建て替える③南北に並ぶ3棟のビルをつないで、一体的な形態にする④そごう跡のビル1階部分は交通広場として、バスやタクシーの乗降に使う、だ。

 そのうえで、東口に南北に並ぶ3棟について①中央の1棟を高層化する②片側のビルを高層化する③高さを均等にする、という3案を示した。床面積については、スカイプラザ柏とファミリ柏、旧マルイを合わせた約5万平方㍍で仮設定。報告書はこのうち、③の高さ均等案についてイメージパースを作り、再整備に取り組む場合の手法や事業収支の課題などもあげた。交通広場についても、バスレーンの配置などについて3案を示した。

 昨年も報告書を公表しており、そこでは今回のベースになった「賑わい施設囲い込み配置案」のほか、駅前の北側と南側に新しいビルを集約する、駅前の南側と中央にビルを集中する、の案も示されていた。今回は、この3案のうち「囲い込み配置案」のイメージを深め、「南北一体配置案」として提示した。

 担当の市中心市街地整備課は「今回公表した報告書の概要版は、あくまで配置案などを検討するためのたたき台となる資料であり、南北一体配置案に決まったわけではない」と説明する。

 地権者からは、再整備に前向き意見が多くあがる一方で、事業費回収を不安視する声もあるという。

 市は地権者に対し、「ビルごとに、意見をまとめて欲しい」との要望を伝えるとともに、今年度も再整備実現のための課題整理に取り組むという。坂齋豊・都市部長は6月市議会で「12月の旧そごう柏店本館の解体完了を見据え、停滞することなく次のステップに進められるよう、方向性の取りまとめに全力で取り組む」と答弁している。

柏駅東口のダブルデッキの景色から、旧そごう柏店の建物が消えた=柏市

 再整備実現までには、地権者との協議や基本計画策定など時間がかかるため、坂齋部長は9月市議会で、そごう跡地について「暫定的な活用を図り、多様なコンテンツやアクティビティを展開し、将来の本格整備につなげたい。来年度内のオープンを目指し、未来の駅前空間を予感させる場にしたい」と説明した。

 市は一方で、6月に「柏駅周辺都市機能誘導方策検討業務委託報告書」もまとめた。再整備とは切り離した条件下で、老朽化している市役所や図書館、文化会館を、駅周辺へ移転する可能性について検討し、複数の可能性をあげた。同課は「あくまで、移転するならどれくらいのボリュームが必要で、それを受け入れるスペースがあるかを考えるため、基礎的な調査・検討を行ったもの」と説明する。

 太田和美市長は、市立図書館本館と文化会館の移転建て替えを、駅前再整備と合わせ検討したいとしており、今後、再整備の検討が進むなかで、公共施設の移転問題も一体となって議論されそうだ。

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