印西で語り継がれてきた民話「光堂の竜」が、絵本となって、新たな形で次の世代へとつながり始めた。絵本作家で画家の有賀忍さんが、版画で懐かしい農村風景や生き生きとした竜を描いている。

光堂は、市内にある国の重要文化財「宝珠院観音堂」の通称。地域に伝わる民話では、本堂の欄間に竜の尾が彫られているとされ、秋になると日光東照宮に彫られた竜が自分の尾に会いに来る、と言われている。
絵本を出版したのは印西市。同市は「民話を後世に伝えよう」と、市民でつくる検討会を立ち上げ、「光堂の竜」の絵本化に取り組んだ。
作画は、絵本「こんなこいるかな」で知られる有賀さんに。有賀さんは、温かな版画も手掛けており、「有賀さんの画風が絵本のイメージにあう」と、依頼することになった。
有賀さんは実際に光堂や手賀沼周辺の田んぼを訪れ、イメージを膨らませていった。そして絵だけでなく、文章部分も「活字より版画にした方がいい」と彫ってくれたという。
絵本は今年3月末に発行され、市内の図書館や小中学校に置かれた。今回さらに、旧印西町が発行した民話絵本「そうふけっぱらのきつね」(画・梶山俊夫さん)も約30年ぶりに再販された。担当の市図書館課は「子どもたちが、自分のふるさと印西に愛着を持ち、歴史や文化を知ってもらえたらうれしい」という。
市内の図書館や公民館などで頒布中。「光堂の竜」は1650円( 税込み )、「そうふけっぱらのきつね」は1430円(同)。問い合わせは同課(0476・42・8686)。
また8月には市内の小倉台図書館で「光堂の竜」の原画や版木を展示する予定。さらに11月には有賀さんの講演会も予定されている。

