国の文化審議会は7月17日、野田市の「旧中村熊次郎商店店舗兼主屋」など5件を国登録有形文化財(建造物)に登録するよう、文部科学相に答申した。

中村熊次郎商店(屋号・太田屋)は、野田市中心部の流山街道沿いにあり、明治から大正にかけては旅館を営んでいた。その一方で、石炭をキッコーマンの前身である野田醤油をはじめ、関東一円の工場に納め、また肥料も扱い、地域の近代化に重要な役割を果たしてきたという。
今回、有形文化財への登録の答申があったのは、明治から大正にかけて建てられた店舗兼主屋(建築面積134平方㍍)、奥座敷(同85平方㍍)、煉瓦蔵(同27平方㍍)、戌亥倉庫(同89平方㍍)、中門及び塀(延長18㍍)の5件。いずれも同じ敷地内に隣接して建っている。
このうち店舗兼主屋など4件は、野田が醤油醸造業で発展していった、明治から大正にかけての街並みの景観を今に伝えていることが評価された。奥座敷は10畳、8畳、6畳の続き間座敷で、10畳間の床框や落掛は黒漆喰で、上質なつくりになっていることなどが「造形の模範になっている」とされた。戌亥倉庫の正面には「中村商店倉庫」の文字が今も残っている。
建物は2020年に保存・活用のための改修が施され、今はギフトショップやカフェ、花屋など、個性的な店が入っている。市生涯学習課によると、建物内部の見学は、店舗が営業している時は可能だが、営業日は店舗によって異なっているという。


