終戦時の首相、鈴木貫太郎(1868~1948)の功績を紹介する展示「貫太郎 導く!~海軍、終戦、そして故郷~」が、野田市役所で8月13日から開かれている。1945年8月10日未明に開かれた「御前会議」の様子を伝える油彩画も、修復後の初公開をしている。16日には学芸員によるギャラリートークも。18日まで。

同市関宿で幼少期と晩年を過ごした鈴木は、海軍で連合艦隊司令長官などの要職を務めた後、侍従長に就き、二・二六事件では瀕死の重傷を負った。1945年4月、首相に就任。戦争継続を求める勢力と和平を進めようとする勢力がぶつかる中、バランスをとりながら戦争終結へと力を尽くした。
今回の展示では、休館中の「鈴木貫太郎記念館」(同市関宿)の所蔵品など約30点とともに、日本を終戦に導いた鈴木の指導力に迫る。
海軍時代のエピソードとしては、兵学校長時代に当時は当たり前だった「鉄拳制裁」を禁止したことや、呉鎮守府司令長官時代に関東大震災の被災地へ上層部の命令を待たずに物資を送ったことなどを、資料や教え子たちの証言とともに紹介する。
首相時代には、昭和天皇の「聖断」を仰ぎ、戦争終結への道筋をつけた。昭和天皇の隣に立つ鈴木の姿も描かれている、8月10日未明の「御前会議」の油彩画は、画家、白川一郎の作品。縦約130㌢、横約170㌢の作品は、1965年に描かれ、昨年度、修復された。汚れを取り除くなどすると、陰影が鮮やかによみがえり、空間に奥行きを感じることできるようになったという。修復後の一般公開は初となる。
首相を辞職後、鈴木は関宿に帰ってきた。そこで取り組んだのは、酪農の振興。自宅に講師を招き、講習会を開き、地域の振興に努めた。昭和30年代には、酪農は関宿の主要産業へと育っていった。
市学芸員の笹川知樹さんは「日本を終戦に導いた鈴木貫太郎が、その指導力をどう培ってきたのか、この展示を通して知ってもらえたら」と話している。
展示は、市役所1階のふれあいギャラリーで。16日のギャラリートークは10~11時と13~14時の2回。入場無料。最終日の18日の展示は正午まで。

