2024年5月の話題
柏市柏生まれの「布施焼」目指して
眠っていた『穴窯』復活
窯出し後、完成した作品の前で喜びの参加者たち
桜の名所に、チューリップなど四季折々の風情が楽しめる柏市布施にあるあけぼの山農業公園内に、全国でも珍しい本格的な穴窯がある。公園事務所棟の裏手斜面に築かれた窯は長さ6・8㍍、幅2・8㍍。1995年に建設され、2008年まで陶芸教室と共に活用されていたものの、その後約15年間使用されず、ひっそりと眠っていた。
近年、柏市在住の陶芸家や芸術家から使用したいという声が寄せられ、2023年、有志7名が再生プロジェクトを立ち上げた。窯の外側のひび割れは耐火モルタルなどで補修。再活用に向けての試運転では内部の温度が1300度まで上がり、「専門家から、この窯は性能が良い」と言われたと同公園の鈴木有希子さん。薪は主に市内の不要な間伐材を使い、三日三晩交代で薪をくべて温度を上げる作業が必要だ。
今回、穴窯復活に向け柏の粘土を陶土の一部に使った陶芸教室3講座が2月にスタート。『抹茶椀をつくる』、『植木鉢&オブジェをつくる』、『電動ロクロを使用した自由作陶』の各講座に市民が挑戦した。植木鉢&オブジェ教室には講師の寺前好人さん指導の下、女性4人が参加。「初めて土に触れてその感触が魅力です」「無心になれて、楽しい」と作品づくりに時間も忘れ熱中していた。
火を守って三日三晩
完成した作品は3月8日に穴窯に並べ入れられ、9日から11日までの三日三晩、講師と生徒有志が交代で薪をくべ、火を守って焼成。
窯の温度が冷めた頃合いの3月17日、講師と生徒39人による窯出しが行われた。抹茶椀教室に参加した宇治知海さん(柏市・46歳)は、「調理師でもあることから創作活動の一環として捉えています。自分の焼いた陶器を手に持つと最初は熱い、熱さを感じると愛おしい。この様な催しは地元愛にも通じる」と感慨深い面持ちだった。電動ロクロ教室を担当した講師の長妻巧尚さん(柏市・46歳)は、「16歳から陶芸をはじめて30年、人づてに園内の穴窯のことを聞き、地域起こしの一環になるのではと感じた。穴窯の技術を若い世代に繋ぐ活動になっていって欲しい」と話した。 再生プロジェクトのメンバーらは穴窯の利活用及び芸術活動を通した『布施地域の活性化』を目標に、今後『布施焼(仮称)』として販売も目指している。柏市に新たな産業、芸術文化の種が撒かれた。
今年度の穴窯利用については検討中。詳しくは、同農業公園(04・7133・8877)まで。
SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標40
プラスチックごみ削減へ
柏市指定ごみ袋をレジ袋に
柏市はプラスチックごみ削減の推進のため、市内スーパーやホームセンターなど一部店舗において、市指定のごみ袋をレジ袋として販売する取り組みを4月から開始した。
買い物客が持参したマイバッグでは⾜りなかったり、忘れてしまった時に利用してもらうことで使い捨てのレジ袋を削減し、プラスチックごみの削減にもつなげたい考えだ。
「レジごみ袋」はポリエチレン製で大きさは小サイズ(20L相当)のみ、1枚10円前後(店舗により異なる)。現在はイオン柏店・イトーヨーカドーアリオ柏店・イトーヨーカドー柏店・カインズセブンパークアリオ柏店・マックスバリュ松ヶ崎店・ピーコックストア豊四季台店・ライフ増尾店・ロイヤルホームセンター柏・ロイヤルホームセンター南増尾の9店舗で取り扱い中。
松戸市教育広報誌のなまえ大募集!
松戸市で5月末締め切り
松戸市教育委員会は、令和5年度から発行している教育広報誌をより多くの市民に知ってもらい、親しみを持ってもらいたいと教育広報誌の名前を募集中だ。
対象/松戸市内在住または在学の小中学生(平成21年4月2日生まれ~平成30年4月1日生まれ)
応募方法/松戸市ホームページから応募専用フォームにアクセス。
選定方法/応募作品の中から選定委員会が選んだ5点を市民投票によって決定。最優秀賞1点、優秀賞4点。
※募集は5月31日(金)まで。
※10月頃に名前決定。
詳細は、TEL047(703)9811 同市教育政策研究課へ。
新刊紹介
エリザベス2世が学習漫画に
多賀幹子さん監修・小学館版
約70年にもわたって君主の座にあったイギリス女王エリザベス2世が、早くも学習まんが人物館に登場。
日本とも深い親交があり、多くの人々から愛されていたエリザベス女王は、カナダやニュージーランドなどの「イギリス連邦」と呼ばれる10カ国以上の国々の国王でもある。君主として、ひとりの人として様々な困難を乗り越えて歩んだ波乱万丈の歴史を漫画で綴る。監修は『英国女王が伝授する70歳からの品格』の著者、多賀幹子さん。まんが・今井康絵、シナリオ・日笠由紀。小学館発行・160頁・定価1210円(税込)
我孫子市めるへん文庫
最優秀賞に石井ひかりさん作
丸智彦教育長から賞状を手渡される石井さん
我孫子市出身で児童文学作家の故・古登正子さんが「子どもたちの文学創作に役立ててほしい」との願いをこめた寄付金をもとに発足した我孫子市めるへん文庫の第22回表彰式が2月25日、同市アビスタホールで行われた。
今回は県内外の小・中・高生から99編の応募があり、最優秀賞の『古登正子賞』に石井ひかりさん(我孫子市・当時小5)の『わたしたちのいえ』が選ばれた(=写真)。このほか18編の受賞作品が決定した。
石井さんの作品は引っ越した新しい家での物語。登場人物の心の動きや街を流れる潮風の匂い、木の匂いなど細やかな表現に高い評価が集まった。
また、今回の賞状は市内の杉村楚人冠記念館に保存されていた刻印機を使った特別仕様になっている。楚人冠が友人などに送る手紙に使用していたものだ。作品集は1冊500円で販売。
お問い合わせ 同市教育委員会文化課 TEL04(7185)1601
れすか文化サロン 6月の参加者募集
天声人語朗読会
6/13(木)
講師 三浦喜代子氏
◆10:00~11:00
◆定員10人
◆受講料1,000円(資料代含む)
天声人語など、文字情報を声に出して読むことで脳を刺激。記憶力など脳を活性化させましょう。
ラベンダースティック教室
6/14(金)
講師 波立喜代子氏
◆13:00~15:00
◆定員8人
◆受講料1,500円(材料費含む)
季節限定!ラベンダーの切り花でスティックを作ります。花材などすべてご用意しますので、手ぶらでご参加ください。
現代俳句教室
6/14(金)
講師 研生 英午氏
◆10:00~12:00
◆定員8人
◆受講料2,000円(資料代含む)
本紙の人気コーナー「れすか句会」でおなじみの研生英午氏が現代俳句をわかりやすく解説。
健康体操教室
6/20(木)
講師 荒井 智晴氏
◆10:30~11:30
◆定員10人
◆受講料1,000円
毎日少しのストレッチで健康増進に一役。筋力をアップし、自律神経を整える運動をご一緒に。
申し込み 朝日れすか編集室 TEL 04-7143-4021
柏市旭町1−4−19吉野ビル3階(柏駅西口徒歩3分)
平日10時~17時。定員になり次第、締め切り。
コウノトリのヒナ誕生
野田で初、野外繁殖を確認
ヤマトから餌をもらうヒナたち=野田市こうのとりの里
自然と共生する地域づくりを目指し、国の特別天然記念物コウノトリの野生復帰に取り組む野田市は2012年、市内に飼育施設「こうのとりの里」を設置し、これまで17羽の放鳥を実施。2017年に放鳥した雄の「ヤマト」が20年2月から長期にわたり同市江川地区に滞在。今春、渡良瀬遊水地生まれの雌の「ひなた」が飛来しペアに(2面参照)。
これまで同市では繁殖に成功してほしいと21年、人工巣塔を設置。餌となる多くの生き物が生息できる環境整備にも奔走。今回は3月初旬から施設近くの電柱上巣台で巣作りが始まり、中旬には抱卵の様子が見られるようになったという。
静かに見守ってきた同市は5月1日、少なくとも2羽のヒナを確認したと発表した。初めての野外繁殖だ。順調にいけば6月下旬に巣立ちを迎える予定。