2022年7月の話題
柏・増尾町会の新たな取り組み
民話の里づくりスタート
増尾ふるさと会館が舞台になった民話の案内板を囲むプロジェクトメンバー
柏市の南部に位置する増尾町会(伊藤薫会長)は昨年、地縁法人格を取得し共助の姿勢を鮮明に打ち出して町会運営をパワーアップ。
今年度は同市観光協会の後押しで「増尾民話の里プロジェクト」を立ち上げた。地元に伝わる民話や歴史を通して、多世代交流や子どもたちのふるさと意識を醸成したいという。
そのキックオフイベントとして講演会「ますお今昔ものがたり~民話の中の増尾村~」が6月26日、同市立土小学校体育館で開催され、観光協会事務局長の中島貴洋さんが講師として増尾の歴史や民話との関わりなどについて語った。
同町内には縄文時代の遺跡をはじめ、増尾城址と幸谷城館跡という中世の城跡があり、寺社仏閣も点在、市内最多の6つの昔話が伝わるなど、歴史ある街だ。
当日は町内の住民ら約100人が参加し、「地元に住んでいても知らなかった。読み聞かせやペープサートにして小学校でも紹介したい」など大好評。プロジェクトへの参加者も増え、現在メンバーは18人に。町会副会長でプロジェクトに奔走する岡本博さんは「民話について広く知ってもらい、散歩したくなる場所を作りたい。周辺にある有名な坂道なども紹介して、地域のつながりができたらうれしい」と話した。
観光協会では昨年12月、市内に伝わる昔話39話を訪ねて歩けるように「ふるさと柏のむかしばなしマップ」を作成。ホームページ(https://kankou.kashiwa-cci.or.jp/folk-tale/)でも「柏のむかしばなし」の一覧や、動画を公開している。
さらに、昔話の舞台となった場所にQRコード付き案内板を設置し、スマートフォンで動画を視聴できる取り組みが進められている。増尾ふるさと会館前には「カラス天狗と祭り見物」のQRコード付き案内板が建てられた。同町会では、今後4カ所に手作り案内板を設置する予定だ。
SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標19
不便な地域の買い物支援に活躍
移動スーパー運行中
スーパーマーケットを展開している株式会社カスミ(本社つくば市)は2013年、買い物が不便な地域への支援として茨城県つくば市で移動スーパーの運行を開始した。
わが街へは、我孫子市が昨年8月に37カ所、柏市が同10月に41カ所、流山市が同12月に28カ所、白井市は今年6月に35カ所へ巡回を開始。導入に際して各市と「買い物支援と地域の見守り活動推進に関する協定」など包括連携の協定を締結。平日5日間にわけて商業施設から離れた地域や高齢化率の高い地域を中心に巡回し、好評だ。
移動スーパーは軽車両を利用し、野菜・魚・肉などの生鮮食品、豆腐・牛乳・パンなどの日配品のほか加工食品、日用品など約650品目を扱っている。買い物のリクエストも可能で、次回の巡回時に届けてくれる。
流山市小学生の平和大使
本当の平和とは何か、自分の考えを見つけたい
千羽鶴を受け取る派遣メンバー
流山市は、公募で選ばれた市内の小学生30人を広島で行われる平和記念式典に派遣する「流山市平和大使」に任命。その結団式が7月29日、同市クリーンセンターで開催された。
同市では2009年から大使が平和に関する体験学習と、市民が折った千羽鶴を献納する事業を実施。コロナ禍のため中止していたが今回、3年ぶりに復活。派遣メンバーは井崎義治市長から平和大使に任命され、市民から寄せられた千羽鶴を受け取った。
児童を代表してあいさつした倉田拓己さん(同市立おおたかの森小5年)は「戦争は本やテレビで見る遠いものだった。今回、自分の目で見て確かめられる機会だと思い応募した。戦争で何が起こったのか、本当の平和とは何か、自分の考えを見つけたい」と決意を語った。
派遣日直前、想定以上の感染拡大の影響で派遣は急きょ中止になり、式典の様子を中継映像で学ぶことに。千羽鶴やメッセージなどは現地に郵送で届けられた。
9/3(土)ウクライナ人道支援に
流山でチャリティー落語会
チャリティー落語会への来場を呼びかけるメンバー
流山の市民グループ「地域を元気で明るくする会」(佐藤至廣会長)がウクライナ各地で激化している戦闘により、緊張と不安の中で過ごしている市民を支援しようと9月3日、同市初石公民館(東武線初石駅徒歩8分)で「チャリティー落語」を開催する。
会長の佐藤さんが所属する「流山落語同好会」との共催で、演目は「粗忽の釘」「蒟蒻問答」のほか、手品や玉すだれもお楽しみ。
参加は無料。会場に募金箱を設置し、集まった募金は流山市を通してウクライナの人道支援に寄付する。
佐藤さんは「大変な思いをしているウクライナの方々のために、平和下で暮らしている我々も何かできたら」との思いでイベント開催に奔走。「笑って過ごすことは健康の基本。いろいろ不安な世の中だけど、落語を聞いて笑いの力で元気になって、ウクライナを支援したい気持ちを持っている方の行動のきっかけにもなれば」と広く参加を呼びかけている。
開演は13時45分で、16時15分まで。当日先着80人。
問い合わせは、TEL090(4625)3995 佐藤さんへ。
本の紹介私たちの民主主義の話をしよう
流山の上矢さん出版 地域活動の20年を一冊に
活動の集大成本を手に上矢洋久さん
流山市で介護と生涯学習を中心に、新たな地域コミュニティーづくりを目指して活動しているNPO法人C&Cクラブの上矢洋久代表(77)がこのほど、20年を越える地域活動の集大成として「私たちの民主主義の話をしよう」(22世紀アート)を出版した。
上矢さんは同書で、日本は民主主義国家ではあるがそれは形式的なものに過ぎず、実質的には官僚が支配する国家で、たて構造のコンクリート社会だと指摘している。それを打破するには、市民が横のつながりを持ち、自らの能力を生かしながら自己実現できるコミュニティーづくりが必要であると主張。インターネットなどを活用して市民の声を発信していくことが大切で、新たな民主主義のあり方を提案している。「こういう考え方もあるということを知ってもらい、民主主義について考えるきっかけになれば」「市民の共生社会をつくり、楽しみや生きがいを感じる人が増えれば、それは社会を変える力になる」と力強く語った。
同書はAmazonで発売中。電子書籍Kindle版(900円)もしくはペーパーバッグ版(1320円)で読むことができる。
話題の本生き方働き方
わたしが掴んだ ONE CHANCE
1冊1,650円
自分のインスピレーションを信じてチャンスを掴み、一歩を踏み出した20人の女性たちの体験談を通して、チャンスをどのように掴むのかなどのヒントを提示している話題の本。生き方や働き方に悩む人への一冊だ。
松戸市で知的障がい者の陸上クラブや、グループホームを運営している大門寛子さん(45)の紹介コーナーでは、「知識ゼロ・ノウハウゼロでも関係ない! たった一人の保護者との約束から始まったグループホーム経営までのプロセス」や、「弱視が与えてくれた美術家への道! 世界で活躍するまでになった玉木奈々の誕生ヒストリー」ほか。Rashisa(ラシサ)出版。
★読者3名様にプレゼント
ハガキに住所、氏名、年齢、職業、電話番号、今月の紙面についてのご意見・ご感想を書いて、〒277-8691柏郵便局内私書箱46号朝日れすか「話題の本」係へ。ホームページからでもOK。8月25日(木)必着。抽選の上、当選者へ直接発送。
9/11(日)天童おはなしキャラバンフェス
松戸で人形劇やミュージカルも
人形劇、絵本読み語り講座など、出前もOK
松戸市の旧「おはなしキャラバン」発足メンバーで、多くの子どもたちに夢・愛・感動を届けてきた浜島代志子さんが主宰する「劇団天童」が9月11日、松戸市民劇場でおはなしイベントを開催する。
今回は「愛を探して」をテーマに、人形劇「まんまるパン」のほか、ミュージカル「アマテラスとスサノオ」など盛りだくさんの内容でお届け。
浜島代表は「おはなし文化は子どもの心情と人格を育てる最高の教育ツール。人の心を豊かにやさしく包む公演です」と多くの子どもたちに来場を呼び掛けている。
開演は15時30分。料金は、前売大人2500円、子ども(3歳~中学生)1000円 ※当日券は各500円増・全席自由。
申し込み・詳細は、TEL090(7810)6645 同劇団へ。
★読者5組10名様ご招待
ハガキに住所、氏名、年齢、職業、電話番号、今月の紙面についてのご意見・ご感想を書いて、〒277-8691柏郵便局内私書箱46号朝日れすか「おはなしキャラバン」係へ。ホームページからでもOK。8月25日(木)必着。抽選の上、当選者へ直接発送。
野田で8年目の放鳥
コウノトリ「はく」大空へ
ケージから元気に飛び立つ「はく」くん
国の特別天然記念物コウノトリの野生復帰に取り組む野田市は8月3日、同市三ツ堀の飼育施設「こうのとりの里」で5月に生まれた雄1羽の放鳥のため飼育舎の天井ネットを開放した。
秋田市大森山動物園から有精卵を譲り受け、市が飼育している「コウくん」「コウちゃん」のペアに托卵。5月12日にふ化した。愛称は全国各地から221件の応募があり「はく」と決まった。8年連続の放鳥だ。
放鳥のため開放されたケージから「はく」は、1日目も、2日目も飛び立たず、連日今か今かと集まる市民が見守る中、8月5日、午後4時28分に元気いっぱい飛び立った。
3日目にやっと姿を現わした「はく」は、エサを探しに近くの田んぼに降り立ったが、夕方にはまた、ケージの上に戻って行った。飼育担当者は、「コウノトリを見かけたら十分に距離をとって静かに見守ってください」と呼びかけている。