2022年2月の話題
流山市笑いの力届けたい
昨年10月の第2回「流山寄席」。メンバー全員が着物、羽織姿で高座にあがり、自慢の持ちネタを披露した=流山市生涯学習センター(流山落語同好会提供)
流山市などのアマチュア落語家でつくる「流山落語同好会」が、演劇ボランティアとして福祉施設などで出前寄席を開き、本格的な話芸を披露している。新型コロナ禍で明るい話題が少ないからこそ、笑いの力で地域を元気にしたい、との思いが強い。
メンバーは50~80代の男性8人。アマチュアとはいえ、大半が落語歴10~30年のベテランで、大学の落語研究会出身者も2人いる。4月に1人増えて9人になる予定だ。
若いころからの落語好きが高じて、独学でネタを覚えた人が多い。高座にあがるときの名前は、趣向や仕事、出身地などから各自が命名した。
それぞれが地域の高齢者施設などに招かれて演じていたが、建設会社社長で高座名「呑気亭喜楽」の佐藤至廣さん(78)が「一緒にやろうよ」と声をかけ、2019年6月に同好会を結成。最年長で保険代理店を経営する「好々家あふ楽」の白髭威之さん(84)が会長、幹事を佐藤さんが引き受けた。
発足と同時に市社会福祉協議会のボランティアセンターに登録。福祉施設などから声がかかると、会員数人ずつを派遣してきた。いわゆる出前寄席だ。1~2カ月に1回の例会が稽古の場になっている。
20年11月に第1回「流山寄席」を市生涯学習センターで開いた。昨年は10月に市社会福祉協議会などと共催。新型コロナ対策で定員の半数の100人に限定して申し込みを受け付けたところ、2時間で満席になる人気だったという。今年も10月15日に同センターで開催予定だ。
アマ落語家8人が出前寄席
出演依頼の対応などに奔走する佐藤さんは「地域を元気で明るくする会」の会長でもある。1月29日に予定していた同会主催の「新春お楽しみ会」で、佐藤さんと電子機器開発会社を経営する「徳利亭酒楽」の坂梨孝一さん(69)が落語を披露するはずだった。新型コロナの感染急拡大で延期になったが、熱心な落語ファンの要望に応えて公開稽古に変更。佐藤さんが「一人酒盛」、坂梨さんが「うどん屋」を熱演した。いずれも有名な古典落語だ。
坂梨さんは佐藤さんから誘われ、2年前に落語を始めた。演劇の経験はあるが、落語は初めて。「着物の着方、扇子の使い方、イロハのイから教わりました」
佐藤さんは北千住(東京都足立区)生まれ。小学4~5年生から1人で上野の鈴本演芸場に通い、覚えた落語をクラスで披露していたという。「下町なので落語を身近に感じる土壌があったのでしょう」
15年ぐらい前に「趣味を生かして社会に貢献できれば」と、落語ボランティアを思い立った。三遊亭円生と古今亭志ん朝のDVDを何度も鑑賞して大学ノートに書きとめ、40ほどの演目を習得。一昨年の「全日本シニア社会人落語会」にも出演した。
落語の魅力について「江戸時代から続く話芸。最後にオチがあるから、初めて聞いた人も楽しめる」と佐藤さん。「笑いの力で地域を元気にしたい」と力を込めた。
SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標13松戸市の「チャリボン」好調
いらなくなった本を寄付
松戸市では不要になった本の買取査定額を寄付として受け付ける「チャリボン」を令和2年12月から導入。これまでに延べ130人から20万7954円が集まった(令和3年12月現在・松戸市提供)。
不要になった本を箱に詰めて、チャリボンHPの申し込みフォームに必要事項を書き込むと、宅配業者が自宅まで集荷に来る。取り扱い可能な本であれば5冊以上で送料は無料。査定された金額が自動で松戸市に寄付されるしくみだ。
寄付金は松戸市内で社会貢献活動を行う市民団体に市民活動助成金として交付される。
チャリボンによる寄付は、松戸市外からも可能。まつど市民活動サポートセンターにはチャリボン用受付箱が設置してあり、直接本を預けることも可能だ。詳細は、同市市民自治課TEL︎047(366)7318へ。
東葛高生らが通学路清掃
作品展示で明るい地下道に
清掃の様子
柏市の国道6号旭町地下道で12月9日、県立東葛飾高校の生徒30人と地元の青少協、商店会、町会が、清掃と作品展示を行った。
この取り組みは国道6号柏駅西口周辺のにぎわい創出や、回遊性の向上などを目指す「6国プロジェクト」の一環として、市と地元商店会、近隣学校などが連携し2014年から始まった。例年は夏と冬に開催しているが、コロナ禍の影響で前回から冬のみ実施。
当日、同校の整備委員会と美術部、書道部の生徒らが地下道の壁を清掃後、自分たちの作品と近くの旭東小学校の児童の絵を掲示した。作品は街並みを描いた絵や、好きな曲の歌詞を描いたものなど力作ぞろい。後日、同市立柏中学校の生徒の作品も追加展示された。
市の担当は「通学路でもある地下道に絵を飾ることは、治安の向上と安全確保にもつながる。自分たちもまちづくりに貢献しているという認識と、地域への愛着を持ってもらえたら」と期待を寄せる。
清掃後、同校書道部2年の佐藤るり香さんは「私は地下道で作品を見たのがきっかけで書道部に入ったので、これを見て部に入りたいという人が出てくれたらうれしい」と話した。
女子バレーの荒木絵里香さん講演
柏・富勢中で
講演する荒木絵里香さん
柏市立富勢中学校で12月2日、東京五輪バレーボール女子日本代表の主将を務めた荒木絵里香さんの講演会があった。
「夢~歩んできた道と『支え』の力~」と題し、バレーとの出合いから選手としての歩み、家族や周囲のサポートへの思いなどを語り、同校の全校生徒506人が耳を傾けた。
荒木さんは部活動や受験勉強に励む生徒たちに向けて「目標を立てる時は短・中・長期に分けて設定し、大きい目標から、具体的に何をするか考えるとよい」とアドバイス。「自分の夢や好きなことを通してたくさん学んで経験してほしい。選択肢が広がる過程を楽しんで」とエールを送った。
この講演会は、コロナ禍で予定していたすべての行事が中止になってしまったことで「みんなで何かできないか」と立ち上がった生徒会の発案で実現。自分たちで人脈をたどり、講演会の準備に奔走。
発案者で前生徒会長の福井虎之介さん(3年)は「行事がない中、貴重な学びの場になった。夢を一歩現実に近づけてもらえた」と荒木さんに感謝。「荒木さんの目標の持ち方の話は、さっそくやってみたいと思う」と話した。
アートの卵展 中学生の力作ずらり
流山・森の美術館で
展覧会の様子
流山市内の中学校9校による合同展覧会「アートの卵」が1月12日から30日まで、同市の森の美術館で開催された。コロナ禍で多くの学校行事が中止を余儀なくされ、文化部の成果を発表する場も失われていたことから、美術部の教員らが「生徒たちの創作意欲の根を絶やさず、活動意義を持たせてあげたい」と各校が連携してプロジェクトをスタート。教師の熱い思いに賛同した同館での無料の展覧会が実現した。
中学生たちが自由な感性で創作した油彩・水彩・デジタル・立体など、約90点が壁いっぱいに並んだ。出品した生徒らが会場を訪れては歓声を上げ、期間中、近隣の小中学校の児童・生徒らも見学にやって来た。
取材の日に鑑賞していた市内在住の河野佳正さんは「展示を見て、自分の中学生の頃を思い出した。今の中学生のみなさんの個性が表れていて、豊富な感性に触れられた」とにっこり。
同館の森忠行館長は「驚くほどユニークな作品ばかりで、素晴らしい展示になった。これからも地域の美術館としてできるだけサポートしていきたい」と話した。同館HPでは、3月末まで展示動画を公開中。お家でも展覧会を楽しもう。
ホスピス・ボランティア養成講座
全10回・30人募集
手足のアロマトリートメントを通じて、病院や在宅で療養中の患者とその家族の話に耳を傾け寄り添うホスピス・ボランティア養成講座。NPO法人千葉県東葛地区・生と死を考える会。
講座/4月9日(土)~7月9日(土)の全10回 13時30分~15時(または15時30分)
場所/モラロジー道徳教育財団キャンパスプラザ会員会館(柏市光ケ丘2―1―2)またはオンライン
受講料/1万円
申し込み/3月15日(火)までに、名前、電話番号、住所を明記し、 mitsui@grief-care.comへ。
詳細は、TEL04(7141)2440 事務局の三井さんへ。
ご近所で雛めぐり
※各イベントは中止の場合もあります。お出かけ前にご確認を。
寒さが緩みはじめる季節、雛飾りの華やかさにも春の訪れを感じながらご近所を散策しませんか。
柏市の花野井界隈では地区の有志が協力し合い、第1回の「花野井ひなめぐり」を開催中。それぞれに趣向を凝らして、ひな人形を展示。花野井ひなめぐり散策マップも配布中です。
旧吉田家ひな人形展
昭和40年代に使われた七段飾り3組と、陶芸家・江崎紀子さんの作品「陶雛」を展示。
会期/3月3日(木)まで・9時30分~16時30分※月曜休
場所/旧吉田家住宅歴史公園の主屋ミセ(柏市花野井974―1)
入園料/大人210円、60歳以上110円、大学生以下無料
詳細は、TEL04(7135)7007 同園へ。
大洞院ひなまつり展
多くの方から寄せられたひな人形七段飾り10組、三段飾り3組ほか押絵羽子板などを展示。入場無料。
会期/3月6日(日)まで・10時~16時
場所/大洞院ギャラリー(柏市花野井1757)
詳細は、TEL04(7132)5868同院事務所へ。
流山福祉会館(流山市流山2―102)をメイン会場に3月6日(日)まで、約50の店舗や施設で雛飾りが楽しめます(会場によって休日が異なります)。メイン会場では6基の7段飾りや歴史ある御殿飾り雛も。
詳細は、TEL04(7158)6111 同市商工会議所へ。
一茶双樹記念館ひなまつり
段飾りや、工芸作家による創作雛など。※入場無料
日時/3月6日(日)まで・9時~17時 ※月曜休館
場所/一茶双樹記念館(流山市流山6―670―1)
詳細は、TEL04(7150)5750 同館へ。
ひな祭りは邪気払いで人形を流すことから始まったとも言われている。松戸駅周辺の店舗・事業所など約80カ所のおかみさんたちによる手作り雛が店頭を飾る。「松戸姫の会」の製作で、「子どもたちの健やかな成長と、みんなが集い共に栄える街」の願いを込め、疫病退散にも一役。松戸駅周辺活性化推進協議会と、松戸市商業協同組合が共催で3月3日(木)まで開催中。
詳細は、TEL047(365)0100 同組合へ。