2021年12月の話題
流山市「食」で地域をつなぐ
「南流山子ども食堂」代表 金川聡美さん
鰭ケ崎小で子ども食堂を紹介する出前授業を行った金川さん=12月2日、流山市
子どもたちを中心に食事や居場所を提供する「子ども食堂」。子どもの貧困対策だけではなく、地域交流拠点の役割も担う。流山市で活動する「南流山子ども食堂」の代表、金川聡美さん(40)は「大切な食を通じて地域のつながりをつくりたい」と話す。新型コロナの影響で子ども食堂は再開できずにいるが、代わりに食材を無料で配る「フードパントリー」などの支援を続けている。
12月2日。金川さんの姿は同市立鰭ケ崎小学校(山口謙校長、644人)の体育館にあった。6年生98人に子ども食堂を紹介する出前授業だ。今年3月に南流山小で初めて実施し、好評だった。
金川さんはまず、子ども食堂の仕組みを説明。地域の人たちの寄付があるから安価(無料~300円)で食事を提供できること、誰でも利用でき地域交流の場になっていること、スタッフは全員ボランティアで配膳のお手伝いをしている小学生もいることなど、クイズ形式で授業を進めた。
なぜ、子ども食堂を始めたのか。活動の原点は幼少期に地域から受けたやさしさへの感謝だ。母親が入退院を繰り返し困っていたときに、近所のおばさんがきんぴらを届けてくれた。心配して様子を見に来てくれたのだ。「いつか恩返しをしたい」と思っていた。
2016年に他界した母親は闘病中、「元気になったら、残りの人生を社会のために使いたい」と話していた。「母の遺志を継ぎたい」との願いがモチベーションになった。金川さんが16歳のときに4歳違いの兄を交通事故で失ったことにも触れ、「命には限りがある。毎日を大切に生きようと思った」という。
食材配布、学習支援も
食材配布、学習支援も 子ども食堂を立ち上げたのは17年10月。同市の南流山センターで月に1度、日曜の昼に開催し、これまでに2368食を提供してきた。「地域のつながりを高めることで、お互いに助け合うネットワークをつくりたい」。そんな金川さんの熱意に共感した人たちがスタッフとして参加し、活動を支えている。
昨年4月の緊急事態宣言以降は会食を休止。コロナの影響で収入が減った家庭を支援するため、フードパントリーに切り替えて活動している。小学4年~中学3年を対象にした月1度の学習支援も開始した。
金川さんは「やりたいことがあったら、まず1歩を踏み出そう。困ったときに、あなたを助けてくれる大人は必ずいるよ」と子どもたちに呼びかけた。授業を受けた野島優輝さんは「ていねいにつくった食事を安く提供していて、すごい地域貢献だと思いました。いつかボランティアとして参加したい」と話した。
「生の音・響き」子らへ 1月30日にコンサート
金川さんの本職はピアニストだ。武蔵野音楽大を卒業後、ポーランド国立ショパン音楽大に留学。イタリアで開催された国際音楽コンクールで1位になった実績がある。帰国後は茨城県内の高校で非常勤講師を務め、結婚して流山市に移住した。会社員の夫、泰三さん(43)と5歳の男の子の3人家族。自宅でピアノ教室を開いている。
障害のある子らも楽しめる音楽イベント「インクルーシブコンサート 親子で感じる・学べる・ホンモノの響き」を1月30日、流山市生涯学習センター(流山エルズ)で開く。インクルーシブには「包み込むような」「排除しない」などの意味があり、多様性の尊重や共生社会の実現といったメッセージを込めた。
「助ける、助けられるという垣根をなくし、すべての子どもたちに音楽を届けたい」と金川さん。発達障害児支援施設や児童養護施設の子らを無料招待する。一般の定員は60人。中学生以上1000円、3歳~小学生500円。0歳から入場できる。午後2時開演。予約・問い合わせは流山エルズ(04・7150・7474)へ。
SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標11ファミリーマートに回収ボックス
フードドライブ活動を身近に
家庭で余った食品を集め、必要な人に無償で届ける「フードドライブ」の回収ボックスが11月16日、柏市の「ファミリーマート柏駅前店」にも常設され、NPO法人「赤ちゃんのほっぺ」を通じて、必要な家庭への提供が始まった。
食品ロス削減の取り組みと地域密着社会貢献活動の一環としてファミリーマートが今春、全国展開をスタート。千葉県内では柏、木更津、八千代各市の13店舗に設置されている(12月6日現在)。未開封で賞味期限まで2カ月以上ある常温保存可能な食品や菓子が対象。
協働で配布を担う同NPOの西藤尚子代表は「コンビニは身近で安心感がある。寄付する方も食品が必要な方も気軽に参加してもらいたい」と期待を寄せる。同店の田島豪店長は「ボックスの認知度が徐々に上がり、寄付される量が増えてきた。善意の懸け橋になれたら」と話した。
発売中山田洋次作品がズラリ
懐かしの映画ポスター展
ポスター展の様子
我孫子駅前のインフォメーションセンター「アビシルベ」で今秋、「懐かしの映画ポスター展 山田洋次監督作品」が開催された。主催した同「友の会」は、2011年から「男はつらいよ」シリーズなど、懐かしい映画ポスターを展示。毎回多くの来場者で好評だ。
23回目の今回は、日本映画界の第一人者、山田洋次監督作品のポスターを特集。今年90歳を迎えたことを記念し、これまでの監督作品のポスター43点を一挙公開。ポスターは市内在住の収集家青柳隆久さん(81)が提供した。同会代表の吉沢淳一さん(80)は「ポスターはその映画の持つ魅力を1枚の紙に凝縮させた芸術作品」と話した。
ナガタ杯 元気いっぱいゲートボール大会
スバルチーム初優勝
優勝したスバルチームのみなさん
第27回ナガタ杯(株式会社ナガタ主催)ゲートボール大会が11月15日、取手市の「かたらいの郷」ゲートボール場で開催され、竜ケ崎市のスバルチームが初の総合優勝(ナガタ杯)に輝いた。最高齢96歳、平均年齢70歳超の12チーム64名の選手が参加。会場には軽やかにボールを打つスティックの音と審判、記録係の大きな声が響き渡った。
試合は4チームずつ3コートに分かれて四角形のリーグ戦を行い、スバルが唯一、3戦全勝で優勝した。
スバルの本宮和子さんは、「全員女性で、常に同じメンバーで練習しているのでチームワークよくつなげたことが勝因です」と笑顔で話した。
閉会式でナガタの八鍬友紀さんは「地域のみなさまに毎年大会開催を楽しみにしていただいて、企業を取り巻く環境が厳しい中でも、継続に社内からはまったく異論が出ません。全員元気に来年も参加してください」
と呼びかけた。
柳隼一トリオコンサート
スタジオ・ウーへ2組4名様ご招待
柳 隼一
ジャズセッションのホスト役で、ピアニストの柳隼一トリオによる新春を寿ぐライブ演奏に読者をご招待。
日時/1月25日(火)19時30分
場所/スタジオ・ウー(柏市柏1―5―20・5F)
料金/予約2800円、当日3300円+ドリンク代
チケットは、TEL04(7164)9651へ。
★ご応募は応募方法 ハガキに柳隼一トリオコンサート希望と書いて、住所、氏名、年齢、職業、電話番号と、国内外で今年一番心に残っているニュースを1つ書いて、〒277-8691 日本郵便柏支店内私書箱46号朝日れすかへ。12月27日(月)必着。抽選の上、当選者へ直接発送。
ご近所で楽しむ 光の競演
黄金(KOGANE)イルミネーション
松戸・北小金駅南口駅前の高さ12㍍シンボルツリーを中心に装飾。1月11日(火)まで。17時~23時。
小金の街をよくする会TEL047(347)8001。
北柏ふるさと公園
手賀沼畔の水辺公園。光のゲートが人気。1月31日(月)まで。17時~22時。
柏市みどりの基金TEL04(7160)3120。
イルミライ★INZAI
千葉ニュータウン中央駅を中心に過去最大の50万球のLEDが輝く。2月20日(日)まで。17時~22時30分。
同市シティプロモーション課TEL0476(33)4426。
滝前不動 新春竹宵
手作りの竹灯籠400基が本堂、参道をライトアップ。幻想的な空間が楽しめる。1月10日(月)まで。16時30分~22時。
場所/滝前不動(我孫子市岡発戸1271)
詳細は、NPO法人住み良いまちづくり研究所TEL090(6503)2084。
新鎌ケ谷イルミネーション
新鎌ケ谷駅北口駅前広場やアクロスモール新鎌ケ谷店が4万9000球のイルミネーションで彩られる。2月14日(月)まで。16時30分~24時30分。
詳細は、同市企画財政課TEL047(445)1073。
新春寿ぐ 七福神めぐり
かしわ七福神
かしわ七福神の色紙
「かしわ七福神の会」(中山悠一郎代表)は、柏にも七福神をという市民の声で、10年の歳月をかけて2018年に7体が揃いました。
①幸町弁財天②旭町香取神社の恵比寿天③豊四季豊受稲荷本宮の福禄寿④塚崎神明社の大黒天⑤大井・福満寺の布袋尊⑥花井山大洞院の毘沙門天⑦戸張香取神社の寿老人
大洞院では1月2日午後1時~疫病退散を願い、星の座(野田市)による獅子舞と七福神の舞の奉納も。 七福神巡りの御朱印用色紙は500円、印判料は各社寺200円。詳細は、TEL04(7174)0248豊受稲荷中山さんへ。