2020年3月の話題
東葛東葛でフードバンク始動 6市の子ども食堂が運営
個人や企業から食品を寄付してもらい、必要とする子らへ
倉庫の見学者(右端)に説明する(左から)TKF副代表の西尾だんさん、代表の梅澤一雄さん、事務局長の高橋亮さん=流山市鰭ケ崎
東葛地域6市の子ども食堂が協力し、昨年11月に設立した「とうかつ草の根フードバンク(TKF)」が、4月に正式スタートする。個人や企業から寄せられた食品を流山市の倉庫に保管。各食堂に配分したり、必要とする家庭に直接手渡したりする。子ども食堂が主体となって地域のフードバンクを運営する試みは全国的にも珍しいという。
子ども食堂は松戸、柏、流山、野田、我孫子、鎌ケ谷6市に約50カ所ある。各市の子ども食堂同士は以前から、食品を融通するなどして支え合ってきたが、懸案となっていたのが宅配便などの送料。運用コストの約半分を占める発送費を抑えることが、TKF設立の動機になった。
物流拠点となる倉庫は、流山市鰭ケ崎にある。TKFの代表を務める梅澤一雄さんが所有する築60年の納屋を無償で借りて改装した。広さは約70平方㍍。冷蔵庫と冷凍庫も備えている。昨年11月4日に開所式があった。
試行的に食品の受け入れと配布を始めたところ、寄付の申し出が相次いだ。松戸市は職員を対象にした初の「フードドライブ」を実施。2日間で約900㌔の食品が集まり、TKFに届けられた。フードドライブは個人や企業から食品を寄付してもらい、必要としている家庭や施設に無償で提供する活動。食べ物が無駄に捨てられる食品ロス対策としても注目されている。
TKF事務局長で松戸市の「こがねはら子ども食堂」代表の高橋亮さん(66)によると、TKFは県内で4番目のフードバンク。地域にフードバンクがあれば、各食堂の代表者が食品を受け取りに行けばよく、余分な送料がかからなくて済む。子ども食堂という現場を持ち、支援を必要とする子どもらと直接、つながっていることも大きな強みだという。
高橋さんは2016年に県内で3番目となる子ども食堂を開き、毎週土曜に食事と学習支援を続けている。新型コロナウイルスの感染拡大で休止に追い込まれる子ども食堂が相次ぐ中、いつもの土曜に加えて火曜、木曜にも開催していることで話題になり、テレビ各局の取材を受けた。
高橋さんは言う。「うちはたまたま開催できる環境にあるが、開催するにしても休止するにしても実践者は悩みに悩んで結論を出している。どちらも子どもを思う気持ちは同じ」だと。
TKFでは米や乾麺、インスタント食品、レトルト食品、缶詰、調味料、飲料などの寄付を呼びかけている。賞味期間2カ月以上が基本。野菜や卵、冷凍食品なども一定期間なら保管できる。問い合わせは高橋さん(090・2733・0555)へ。
流山市流山市立森の図書館
はしもとあやさんの漫画で知る「こども食堂とフードバンク」展
「こども食堂」と「フードバンク」で展示される漫画「ここで、のできごと」を手にする、はしもとあやさん=流山市の「machimin」
TKFの本格的な運営開始にあわせて、はしもとあやのまんがで知る「こども食堂」と「フードバンク」が4月1~29日、流山市立森の図書館で開かれる。市内在住のイラストレーターで、子ども食堂を題材にしたストーリー漫画「ここで、のできごと」を連載中のはしもとあや=本名・橋本文=さん(34)の作品などを展示し、子ども食堂への理解を深めてもらう。
はしもとさんは1男1女の母。5年前、子育てのために都内から転居した。地域のことをよく知り、役に立ちたいと、設立されたばかりの「南流山子ども食堂」にスタッフとして参加。趣味の絵を生かして毎月の開催チラシをボランティアで描いてきた。
「子ども食堂には子どもの貧困対策のほかに、地域コミュニティーとしての役割がある。世代を超えて人がつながる場所だと訴えたい」。そんな思いを込めて描いた作品が、子ども食堂の普及・啓発に取り組むNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(湯浅誠理事長)の「こども食堂漫画化プロジェクト」で、68件の応募の中から最優秀賞に選ばれた。
1話完結の「ここで、のできごと」は、むすびえの公式サイトで昨年10月に連載がスタート。4月で最終話を迎える。M市に引っ越してきた一家が、子ども食堂を舞台に地域の人たちとふれあい、つながっていく物語だ。
週3日は、流鉄流山線・流山駅に隣接する「machimin」でボランティアとしても活動している。コミュニティースペースと観光案内所を兼ね、多世代交流の場になっている施設だ。「ここには多くの学びがあり、漫画制作にも生きている」
昨年2月にIT関連の会社を退職し、プロの道を歩み始めた。「地域の課題や取り組みを漫画で発信していきたい」と思っている。
快挙読書感想文で内閣総理大臣賞
柏の関口結子さん(柏第一小2年)
受賞をよろこぶ関口結子さんと両親
「第65回青少年読書感想文全国コンクール」の小学校低学年の部で、柏市立柏第一小学校2年生の関口結子さんが、最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。全国の小中高2万5579校から397万5894編の応募があった。
夏休みの課題図書だった「魔女ののろいアメ」(PHP研究所)を読んで受賞した関口さんは2月10日、両親と共に柏市役所に秋山浩保市長を訪ね、市内初の快挙を報告。辞書で「のろい」の意味と漢字を調べ、「呪い」は「まじない」とも読むことを知り、おもしろくなって1日で5回ほど熟読した翌日、応募規定の倍の原稿用紙4枚分の感想文を書き上げた。
幼い頃から母親にくり返し読み聞かせをしてもらったことがきっかけで、1年生の時は年間600冊を読破するほどの本好きに。お気に入りは「魔女の宅急便」や、バレエをテーマにした本で、最近は落語や古事記にも興味があるという。「みんなにほめられたり、インタビューされたりしてとてもうれしい」と笑顔満開。「将来の夢は落語家か、作家か、お父さんの跡を継いで社長になること」と話した。
秋山市長は「言葉をたくさん知っていることはすばらしいこと。どんどん語彙数が増えて、すごい成長ですね」と最高賞の受賞をたたえた。
快挙書道で活躍
松戸市の森結菜さん(松戸・古ケ崎小3年)
盾を手に喜びの森結菜さん
松戸市の小中学校の学芸で優秀な成績を修めた児童生徒らの表彰式が2月14日、同市役所で行われ、本郷谷健次市長らから表彰盾を授与された。
個人では唯一の市長賞を受賞した市立古ケ崎小3年生の森結菜さんは、第30回MOA美術館全国児童作品展書写の部で農林水産大臣賞、第10回ボールペン字大賞で文部科学大臣賞(大賞)を受賞するなど、大活躍。MOA美術館展では毛筆で「あお空」を力強い筆跡で書き上げた。
「字がうまくなりたい」と1年生の後半から書道を始めた。書道の好きなところは「迫力のある字が書けるところ」とにっこり。「ずっと書道を続けたい。夢は全国でトップになって内閣総理大臣賞を取ること」と今後への意気込みをはきはきと話した。
流山市流山初の女性会頭誕生
流山商工会議所田口佳子さん
田口佳子さん
昨秋、流山商工会議所第3代会頭に就任した陶芸家の田口佳子さん(66)。全国515の会議所の中で現在女性会頭は3人、流山では初。市内約1500の事業所会員の先頭に立って同市の発展に奔走中だ。
女性というだけではなく、陶芸家の就任も異色で、この厳しい時代に「想像的な感性が求められていると思う」と話す。29歳で陶芸の道を志し、中国宋の時代の紫紅釉の紫に魅せられ、同市西深井に「紫焔窯」を開いた。7年後には伝統ある「秋耕展」に出品した作品が文部大臣賞を受賞。陶芸作家として頭角を現す。自身の創作活動のほか、陶芸教室などで多くの市民に創作の喜びを伝授。「作品を創ることが自分を創ること」と土に向かう。
その感性に加えて経済活動への関心も高く、1期3年の会頭職で、どう生かされるのか、手腕は未知数ながら、男性陣の中で早くも輝きを放っている。
県内屈指の人口急増地域を抱える同市は南北に細長く、伝統が凝縮する本町地区と、新しい活気のあるおおたかの森、市民グループによる街づくりが活発な江戸川台・運河周辺とそれぞれの個性が際立つ中、「課題は山積みですが、まず市民の一体感を創出するため、連携役として知恵を出していきたい」と意気込みを語った。
支援の輪困っている子どもたちへ パスタ無料提供中
柏のイタリア料理店マレア
緊急支援に乗り出したマレアの山田さん
柏市のイタリア料理店Mare@(マレア)が新型コロナウイルスの影響で自宅待機を余儀なくされている児童に春休みまで平日のランチパスタを無料提供している。
同店オーナーの山田順さんは突然の休校で「昼食を満足に食べられない子どもたちも出てくるはず。そんな子どもたちのために少しでもお役に立てたら」と奮起した。同店も謝恩会などの予約が軒並みキャンセルになって厳しい中、「暗いニュースばかりなので、少しでも明るい話題になれば」と実施へ。
当初、「子ども食堂的なことをやりたかった」と話す山田さん。「うちはパスタが人気メニューなので、パスタを提供している。子どもたち同士での利用に対応。親子での場合もご相談ください」と呼びかけている。
ランチタイムは、11時30分~14時30分。場所は柏市若葉町1―1。問い合わせは、TEL 04(7167)1170 同店まで。
支援の輪自宅でできる学習環境を
学習塾の市進が休校サポート
新型肺炎ウイルスの影響による臨時休校で授業を受けることができない中学生、高校生を対象に、LINEのアカウント上で、市進教育グループ学習コンテンツ・映像授業の無償提供が行われている。
これは大手学習塾の市進ホールディングスが、学研や日本数学検定協会、教育情報サービス、LINEみらい財団らと連携して開始した。
内容は、理科(中学生程度)、社会(中学生程度)、国語(中高生程度)の3教科で、全国に配信している映像授業「ウイングネット」などの学習教材について部分提供するものだ。新型コロナウイルスによる影響が収束するまでとなっている。LINE公式アカウント名は「新型肺炎休校サポート LINEみらい財団」。
詳細は、フリーダイヤル 0120(80)0877 市進教育グループコールセンターまで。
ASA柏文化サロン受講生募集
4月16日(木)天声人語朗読会
文字情報を声に出して読むことで脳を刺激。記憶力など、脳を活性化させましょう!
時間/10時〜11時
場所/ASA柏文化サロン(柏駅東口徒歩3分)
講師/三浦喜代子氏(朗読教室「美宙」主宰)
定員/20人 受講料/500円(資料代含む)
申込み・問合せ
朝日れすか編集室(平日10時~17時)
TEL 04(7143)4021
エンタメ招待席4月12日(日) 柏の街を舞台に
映画「長全寺」完成上映会
「長全寺」完成披露のPRチラシ
約450年前に創建されて以来、柏の人々と苦楽を共にしてきた長全寺。「日本の文化や風習、お墓や先祖、そして柏を大切にしてほしい」との思いから、このほど柏の街を舞台に映画「長全寺」が制作された。
かつてお寺は葬儀や法事の場所だけではなく、人生の教えや悩み相談、子どもたちにも様々なことを教えてくれる人々の中心だった。寺院の魅力を映画を通して発信しようと、秋元慶一さんを中心に製作委員会が立ち上がった。脚本は映画「陰陽師」などを手掛けた江良至氏、監督は我孫子市在住の川本淳市氏。主演は、川原英之。僧侶たちが時代を跨ぎ、悪に立ち向かって活躍する笑って泣ける大群像人間活劇だ。
日時/4月12日(日) ①9時 ②12時 ③15時 ④18時
場所/長全寺(柏市柏6―1―9)
料金/1000円(税込み)
チケット販売所/長全寺、秋元印刷(柏市中央1―2―18) ※平日10時~16時
定員/各回150人
問い合わせは、TEL 04(7167)2316秋元印刷へ。
エンタメ招待席新刊紹介『沼南の宗教文化誌』
郷土史と宗教文化の読み物
椎名宏雄著
平成の大合併で柏市に吸収合併となった沼南町。本書は旧沼南町泉にあり約770年の歴史を刻む、曹洞宗天徳山龍泉院の住職として50年近くになる椎名宏雄氏が、沼南町や柏市が刊行した各種の史資料的文献などに書いた記事から抜粋、再編したものだ。「歴史と人物」「お寺とお宮」、「宗教文化」、「民族と講」の四項目に分けて掲載。鷲野谷地区が生んだ稀世の高僧・弁栄聖者にまつわる話や藤ヶ谷地区のユーモラスな十王図のことなどを挿絵や写真をふんだんに使い、沼南町の著しい変貌の経緯、思わぬ史実を身近に知る読み物として楽しめる。椎名宏雄著、たけしま出版発行、2400円+税。
お求めは、お近くの書店にご注文または、TEL 04(7167)1381たけしま出版へ。
★「沼南の宗教文化誌」を読者2名様にプレゼント
ご希望の方は、ハガキに「沼南の宗教文化誌」希望、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、今月の紙面についてのご意見・ご感想を書いて、〒277-8691柏郵便局内私書箱46号朝日れすかへ。3月27日(金)必着。抽選の上、当選者へ直接発送。
新松戸シャンソン生徒募集中!
シャンソンやポピュラーソングのボーカルレッスンご一緒に。
毎月第3水曜日 15時~16時
月謝 3,000円 体験 2,000円
会場:りすとらんて轍
講師:秋篠樹里亜氏
9時〜11時、15時〜17時 1h/1,000円
詳細はお気軽に下記までお電話ください!
申し込み・問い合わせ
りすとらんて轍(わだち) 松戸市新松戸1-374-1 政和ビル地下1階
TEL 047(712)1600
東葛近郊さくら便り
■野田・清水公園
3月20日(金)~4月5日(日)、「さくらまつり」を開催。日本さくら名所100選に認定され、約2000本の桜が楽しめます。
詳細は、TEL 04(7125)3030 清水公園。
柏・あけぼの山公園
ソメイヨシノが約200本、農業公園内ではカンヒザクラが80本咲き誇ります。
詳細は、TEL 04(7133)8877 同公園へ。
■鎌ケ谷・市制記念公園
園内を1周するように植えられた桜は約200本。公園内には、蒸気機関車や飛行機の展示、アスレチック遊具などがあり家族で楽しめます。
詳細は、TEL 047(445)1141 市公園緑地課。
■我孫子・手賀沼遊歩道
手賀沼沿い約5キロの遊歩道では、ソメイヨシノやカンザンなど約500本の桜が楽しめます。
詳細は、TEL 04(7185)1111 同市公園緑地課。
■松戸・常盤平さくら通り
日本の道100選に指定された約3キロの通りは、樹齢50年以上のソメイヨシノやオオシマザクラが連なり、桜のトンネルが楽しめます。
詳細はTEL 047(366)7378 同市みどりと花の課。
野田市春を迎える「おびしゃ」
野田・地域ごとに特色
お膳を持って茅の輪をくぐる子どもたち
野田市船形の香取神社、同市今上の下谷女躰神社などで2月11日、春を迎える伝統行事「おびしゃ」があった。香取神社では古式にのっとり29種のお供えを奉納、女躰神社では弓矢を放って、ともに五穀豊穣、家内安全を祈った。江戸時代から続く行事だが、地域によって形を変えて伝えられている。
香取神社では午前10時、厳かな雅楽が流れる境内で、神前にお供えする魚や野菜の膳を持った氏子らが茅の輪をくぐって拝殿に進んだ。
神職の祝詞や玉串を奉げる神事の後、行事を仕切る当番の引き継ぎ、直会と呼ばれる宴会などがあった。
正式には「御社擅御膳献上式(ごしゃせんおぜんこんじょうしき)」と呼ばれ、市の無形民俗文化財に指定されている。
氏子1組11~60軒の15組が毎年交代で当番を務める。同神社奉賛会の渡辺隆会長(73)は「膳を運ぶ氏子が少なくなってきた組もあるが、工夫をしながら続けていきたい」と話した。
下谷女躰神社でも午前11時30分から神事が営まれた。境内には拝殿から6㍍離れた場所に干支のネズミなどが描かれた直径0・5㍍の的三つが立てられた。
氏子らは拝殿から的を目掛けて弓を引き、矢を放った。見事命中させた女性は「今年はいいことがあるのかしら」。
氏子総代の山田哲也さん(72)は「新しいお参り客も見えるようになりました。『おびしゃ』で地域の安心・安全も祈ります」という。
簡単!エコクッキング108
ウドの皮のきんぴら
料理 大瀬由生子
山菜の美味しい時期になりました! 皮をむいた真っ白なウドは酢味噌和えにして、皮はきんぴらにしていただき、穂先は天ぷらにしましょう。あますところなく春の味を楽しんで!
〈材料〉
ウドの皮…………1本分
酢……………………少々
ごま油…………大さじ1
酒………………大さじ1
みりん…………大さじ1
醤油……………大さじ1
いりごま……………適宜
〈作り方〉
①ウドの皮の黒い部分は取りのぞいたら千切りにし、酢水にさらしてあくを抜く。
②❶をさっと水洗いして水けをきる。
③フライパンにごま油を入れ火にかけ❷を加えて強火で手早く炒める。
④全体に油が回ったら酒、みりんを加え全体を混ぜ合わせたら、醤油を加え水分がなくなるまで炒める。
⑤器に盛りごまをふる。
エコポイント
皮を捨てずに一品にして、ウド独特の風味ある味を楽しんで!