れすか句会
主題「酒」
主席 酒少し付けて帰りぬ花衣
(白井市)中宮 順子
次席 対岸に地酒ととのふ梅見かな
(松戸市)西村 英雄
三席 被災の海父に手向けし花見酒
(松戸市)久保田 みつ江
【選評】
主席の「酒少し」の句は花弁でなく、「酒少し付けて帰りぬ」がいい。花見の余韻と「花衣」の仄かな色香を感じさせる。次席の「対岸に」の句は地元での気の置けない仲間との「梅見」。桜ではなく「梅見」というのも「地酒ととのふ」新酒の時季を捉えて、春を待ちきれない様子をうまく詠んでいる。三席の「被災の海」の句は東日本の震災後10年を経たことへの献句だろう。変わらずに来る「花見酒」の循環に、父の黄泉がえりを願う心すらも感じられる。 選者 研生 英午
【募集】
5月の主題「基地」。「嘉手納基地戦車を撮れと女が云う 藤後 左右」4月27日(火)必着。投句は葉書一枚につき3句まで(未発表作品に限る)。〒277―0852 柏市旭町1―4―19―3F「れすか句会」係へ。ベスト3の作品に賞品進呈。