れすか句会
主題「音」
主席 青蜜柑むけば山河の音響く
(我孫子市)小林 菊江
次席
次席 筆置けば音戻りたる夜長かな
(野田市)富永 美南子
三席
三席 箱庭や亡父の鋏の音がする
(鎌ケ谷市)佐藤 弘
【選評】
主席の「青蜜柑」の句は次席の句と同様に、俳句の文体としては気になるが、「山河の音」と繋げたことで、不備を免れ、一気に詠みの世界を広げた。次席の「筆置けば」の句も、和紙の上で「筆」が掠れる「音」なのだろう。「夜長」の閑かさの季感を「音戻りたる」という言葉で上手く表している。三席の「箱庭や」の句は「亡父」が丹精した「庭」を「箱庭」に見立てたのだろう。この句も彼岸の頃の季感を「亡父の鋏の音」として具体的に表している。
【募集】
11月の主題「基地」。「嘉手納基地戦車を撮れと女が云う 藤後 左右」10月27日(火)必着。投句は葉書一枚につき3句まで(未発表作品に限る)。〒277―0852 柏市旭町1―4―19―3F「れすか句会」係へ。ベスト3の作品に賞品進呈。