奥山恵さんおススメの本
児童書店店主・「日本児童文学」編集長奥山恵さんオススメの
今月の3冊
『ちび竜』 工藤直子 文/あべ弘士 絵/童心社
ちいさなつぶから生まれたちび竜は、とんぼやフナやもぐらに、飛び方、泳ぎ方、もぐり方などを教わりながら、大きく大きくなっていきます。風や水や土と友だちになって、とうとう宇宙へ飛び出す竜……。クライマックスの観音開きページには、竜と地球が美しい絵本。(幼年から)
『わたし、パリにいったの』たかどのほうこ 作/のら書店
はなちゃんと妹のめめちゃんは、パリに行ったときのアルバムを見ながら、思い出話をするのが大好き。でも、はなちゃん一家がパリにいたとき、めめちゃんはまだおかあさんのお腹の中だったはず。それなのになんでも知ってる、その理由は? 笑顔がこぼれる幼年童話。(小学校低学年から)
『むこう岸』安田夏菜 作/西川真以子 絵/講談社
受験を乗り越え有名中学に進んだものの授業についていかれず、公立中学に転校した和真。母と妹と三人、生活保護を受けて暮らす樹希。まったくちがう環境に生きてきた二人が出会い、格差社会の不条理に立ち向かいます。ぶつかりながらも、生きる権利をつかみとる痛快な一冊。(中学生から)