朝日新聞柏支局長のコラム
高校生の衆院選
休暇をとり県外にいた9月30日夕、会社から件名「元五輪相が引退」のメールが届いた。元五輪相は柏市が地元の衆院議員。前回は小選挙区で落選、比例で復活した。年末で75歳になる。引退の知らせを各社に文書で送ってきたのだという。
出遅れたか。私はすぐに取材の指揮を執るデスクに電話した。去就が注目されていた中、このタイミングで持ち場を離れているという事実は「事前には何も知りませんでした」と叫んでいるに等しい。そんな私にデスクは「実は引退理由が分からない。本人が捕まらない。誰かに聞け」。元五輪相の周囲に電話を入れ、健康問題に触れる記事を出した。
こうして、衆院選取材開始の号砲は鳴った。元五輪相の後継は誰になるのか。他に誰が立つのか。そんな中、この秋に選挙権を得て今回初めて投票をする千葉市の高校3年生に、政治がどう見えるのかや思いを聞いた。
高校生は、都知事選の時に目にした無数のSNS情報には誇張や誤りが多く、気持ちが振り回されたと振り返り「衆院選の投票先は新聞や候補者の公式ホームページを見て決めます」と話した。未来を担う若者のためにも、私もまだまだがんばりたい。投開票は27日です。
朝日新聞柏支局長 斎藤茂洋