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朝日新聞柏支局長のコラム

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あの野菜に続け

 

「マコモタケって何?」。今秋、そう思いながら柏市の水田に出向き、目を見張った。大人の背丈以上あるイネ科の「マコモ」が天に伸びていた。根に近い膨らんだ部分を指す。刈り取り、皮をむく。真っ白だ。東南アジアに広く分布し、中国料理にも使われる。
 この日は、栽培する農業支援団体の収穫イベント。無農薬で栽培し、新鮮だ。試食コーナーもあり、きんぴらや炊き込みご飯に舌鼓を打つ。しゃきしゃきだ。そんな中、代表の男性は「メンバーの平均は70代。続く人もいなくて」と話した。機械化も進んでいない。
 隣で、柏市の中国料理店「文菜華」の渡辺展久さんも刈り取っていた。店で出しており「柏は日本のチンゲンサイ発祥の地。チンゲンサイのようにマコモタケを『柏の旬の味』として広めたい」と笑顔を見せた。私は、「えっ?」。調べると、中国原産のチンゲンサイは全国に先駆け、柏で栽培方法が確立されたのだ。
 口コミを元に、東京や横浜からも来場していた。子育て世帯が目立ち、中国にルーツのある女性も味に太鼓判を押した。申込人数は、定員を超えていた。代表の悩みはすぐに解消されないかもしれないが、駆けつけた来場者たちの熱量が、チンゲンサイに続く産地化を後押ししそうに感じた。

朝日新聞柏支局長 斎藤茂洋


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