朝日新聞柏支局長のコラム
防犯カメラ探し
「防犯カメラの映像、見せていただけませんか」――。アパートや一戸建て、医療機関、商業施設の入り口に設置されている防犯カメラについて、住民や管理会社にお願いして回る。けげんな顔をされたり、協力してくれたり。
松戸市の女児が行方不明になり、足取りが防犯カメラの画像に残されていないかと10月上旬、建物を見上げた。日が暮れ、「もう見つけられないかな」と思っていると、人が通りかかると電灯がついて、日中は目に入らなかったカメラも見つかった。ただ、新たな情報はなかった。
映像入手の取材は、以前は顔写真だった。「掲載で、事件や事故を少しでも身近に感じてほしい」との考え。昔も今も入手過程では、興味本位ととらえられるのか非難されることもあるし、快諾されもする。そんな取材に近年、防犯カメラ探しが加わった。日時など情報量が多い。
女児は、遺体で見つかった。顔写真入りの記事を見るにつけ「まだ、多くの人との出会いがあったはずなのに」と思うと、胸が苦しくなる。多くの読者が、きっと紙面を通じて「さようなら」の言葉をかけているのではないかと思う。
映像入手の取材は少し、しんどいけど、お近くにお邪魔するかもしれません。
朝日新聞柏支局長 斎藤茂洋
松戸市の女児が行方不明になり、足取りが防犯カメラの画像に残されていないかと10月上旬、建物を見上げた。日が暮れ、「もう見つけられないかな」と思っていると、人が通りかかると電灯がついて、日中は目に入らなかったカメラも見つかった。ただ、新たな情報はなかった。
映像入手の取材は、以前は顔写真だった。「掲載で、事件や事故を少しでも身近に感じてほしい」との考え。昔も今も入手過程では、興味本位ととらえられるのか非難されることもあるし、快諾されもする。そんな取材に近年、防犯カメラ探しが加わった。日時など情報量が多い。
女児は、遺体で見つかった。顔写真入りの記事を見るにつけ「まだ、多くの人との出会いがあったはずなのに」と思うと、胸が苦しくなる。多くの読者が、きっと紙面を通じて「さようなら」の言葉をかけているのではないかと思う。
映像入手の取材は少し、しんどいけど、お近くにお邪魔するかもしれません。
朝日新聞柏支局長 斎藤茂洋