朝日新聞柏支局長のコラム
始業式
子どもの頃に見たヒーローが主役のテレビドラマで、登場人物が使うハイテク機器に最もワクワクさせられたのが「ウルトラセブン」だった。理由は、ウルトラ警備隊が使っていた「ビデオシーバー」。腕時計型通信機だ。
家にはスマホやノートパソコンなどなく、固定電話はダイヤル式が主流。プッシュホンをみると、かっこよさにあこがれたアナログな生活だった。ドラマに登場した画面付きの通信機は、想像をはるかに超える遠い未来の世界に映った。
その世界はいま、当たり前の光景になった。スマホでテレビ電話方式の通話ができることに加え、新型コロナウイルス感染拡大でオンライン会議が普及。何人もの参加者の顔が映し出されるマルチ画面を見ても、もう誰も驚かない。
1月に取材した柏市内の小学校の始業式もオンラインだった。児童らは教室で距離を置いて座り、スクリーンに映し出された校長室からのあいさつに見入った。学校関係者によると、3密回避だけでなく、「短時間のために1カ所に集まり、再び教室に戻らなくてすむ」効果もあるという。
児童らは、始業式が中止にならずによかったと喜ぶ一方で、「たくさんの人と会えずさみしい」と従来型を懐かしむ声も。3密対策と効率化、そして直接的なコミュニケーションの大切さ。バランスは難しい。
朝日新聞柏支局長 石原剛文
家にはスマホやノートパソコンなどなく、固定電話はダイヤル式が主流。プッシュホンをみると、かっこよさにあこがれたアナログな生活だった。ドラマに登場した画面付きの通信機は、想像をはるかに超える遠い未来の世界に映った。
その世界はいま、当たり前の光景になった。スマホでテレビ電話方式の通話ができることに加え、新型コロナウイルス感染拡大でオンライン会議が普及。何人もの参加者の顔が映し出されるマルチ画面を見ても、もう誰も驚かない。
1月に取材した柏市内の小学校の始業式もオンラインだった。児童らは教室で距離を置いて座り、スクリーンに映し出された校長室からのあいさつに見入った。学校関係者によると、3密回避だけでなく、「短時間のために1カ所に集まり、再び教室に戻らなくてすむ」効果もあるという。
児童らは、始業式が中止にならずによかったと喜ぶ一方で、「たくさんの人と会えずさみしい」と従来型を懐かしむ声も。3密対策と効率化、そして直接的なコミュニケーションの大切さ。バランスは難しい。
朝日新聞柏支局長 石原剛文