命のバトン153 農文化を食卓に
手作り「ますだのかきもち」
懐かしい素朴な味
柏市のふるさと納税返礼品の一つ「ますだのかきもち」は、田園が広がる同市布瀬(旧沼南町)に工場がある。
代々農家だった先代の故増田昌行社長が1972(昭和47)年に丸増商事を創業。九州や四国、中国から仕入れたショウガの加工、販売を始めた。
鏡餅などを欠いて干し、揚げて食べる「かきもち」は95(平成7)年から手作業で試作を重ね、3年後に工場を増設して本格生産を始めた。
材料は国産のモチ米。蒸して機械で練り上げ、板状にしてから裁断する。この間、寒風に晒すなど自然乾燥に時間をかける。220度で10分ほど揚げるが、気温、湿度に左右されるため、熟練職人が培った目と手で加減する。
「しょうゆ」「しお」「唐がらし」「唐がらし(大辛)」味の1袋150㌘入り4種類。1袋税込み324円で柏、我孫子両市のイトーヨーカドーなどで売っている。
同社専務の宮本暁子さんは「育った職人の技を受け継ぐことが大切。要望のある黒コショウ味にも挑戦したい」という。