読者投稿オリジナル童話
りんちゃんのくつした
船越 チヨミ(柏市 主婦 61歳)
きょうは、とてもきもちのいいひです。おひさまは、ぽかぽかあったかいし、にわのおはなもえがおでさいています。
りんちゃんは、ひもをおりーぶのこえだにむすんで、せんたくをはじめました。とおくでままが「りんちゃーん、だいじょうぶー?」といっています。「だいじょうぶ、だいじょうぶ。りんちゃん、おねえちゃんだもん」そうつぶやくと、りんちゃんは せっけんのはいったばけつでくつしたをあらいはじめました。ぴんくにあか、みどりにあおいろ、しろいくつしたもあります。それから、むらさきにきいろも……。
「ごしごし もみもみ ちゃぷちゃぷ」「ごしごし もみもみ ちゃっぷん ちゃっぷん♪」うたうように、からだをゆらしながら、あらいます。りんちゃんのこえがおおきくなって、しろいあわぶくからちいさなしゃぼんが ぷちんぷちんとかおをだします。
いつのまにか、ちょうちょやてんとうむし、とんぼにはっぱのうえには かたつむりもやってきました。かきねのしたから、となりのねこのみーちゃんがかおをだし、おさんぽのとちゅうのいぬのふれんちぶるどっぐのけんたくんもそのばから、うごかなくなってしまいました。
せんたくがおわると、りんちゃんは つまさきだってくつしたをほしました。うまくちからがゆびにはいらず、なんどもなんどもせんたくばさみをしたにおとしました。でも、りんちゃんは、がんばりました。
やっとおわると、くつしたのにじができました。うれしくて、りんちゃんは くるくるまわりました。ちょうちょたちは、りんちゃんのまわりを、ひらひらとびました。ねこのみーちゃんは「ミャー」とないて、ほめました。いぬのけんたくんは「わんわん」とほえて、かいぬしのおねえさんにじゃんぷして、かおをぺろぺろなめました。みんな、よかったね。
童話作家緒島英二さんより
日常のふとしたひとコマへ注ぐ、作者の温かなまなざしを感じます。小さな成長に共感します。カタカナ使用を考えてみて下さい。