
今回は、「アントニオ・カルロス・ジョビンへのオマージュ」と銘打たれた小野リサの新譜をご紹介します。ブラジルのボサノヴァの創始者で、来年1月には生誕100周年を迎えるアントニオ・カルロス・ジョビンのソングブックを、日本のブラジリアン・ミュージック・シーンを牽引する第一人者である小野リサが19年ぶりにリリースしたのです。彼女の歌声とギターを包むのがプロデュースも務めたピアニスト、林正樹。さらに、3曲に加わっている渡辺貞夫のアルト・サックスの優しくて美しい音色。。。シンプルな編成ゆえにとっても素晴らしいのです。
渡辺貞夫は小野リサの父親と親交があり、日本にボサノヴァを紹介したジャズメンでもあります。小野リサの父親は、1958年にブラジルに渡り、サンパウロでクラブを営んでいたそうですが、そのときに彼女は生まれています。その後、日本に帰ってから四谷に開いた「サッシペレレ(ブラジルの民話に登場するいたずら好きの妖怪の名前)」というお店には、中村八大など音楽家をはじめ、ブラジル領事館の人たちも訪れ、ブラジル文化の発信地となっていたそうです。そんな環境で育った小野リサが歌い奏でる巨匠へのオマージュ。。。この夏はこのアルバムで決まりですね! ちなみに、ボサノヴァを通じて深い親交のある村上春樹氏が、このアルバムのライナーノーツ(解説文)を執筆しており、このアルバムを大絶賛しているそうです!!
船守 秀一(音楽プロデューサー)

