歌舞伎俳優の市川九團次さんが、終戦時の首相だった鈴木貫太郎をテーマにしたオリジナル劇「永遠の微熱」を、ふるさと野田市で8月7~9日に上演する。6月24日には市役所で制作発表があり、九團次さんは「こんなに頑張った人がこの街にいた、ということを全国の人に知ってもらいたい」と意欲をみせた。
「永遠の微熱」は、現代と鈴木が生きた過去を物語が行き来する。鈴木のふるさと野田市関宿で、家業の醤油醸造から目を背ける現代の若者が、二・二六事件で瀕死の重傷を負い、その後、日本を終戦へと導いた鈴木の壮絶な生き様に触れ、奮起をはかる人間ドラマだ。脚本・演出は浜寺ふなおさんが担当する。「終戦時の物語は壮大で複雑だが、鈴木貫太郎を知ってもらい、分かりやすく楽しめる舞台になっている」と九團次さん。
今回、鈴木を演じるのは九團次さんだ。ただ、ためらいもあった。「いつか野田で演じるなら鈴木貫太郎と思っていた。しかしこれまでは、年齢も経験値も足りず、演じることができなかった。今回も『私が演じていいのか』という怖さがあったが、演じる力を信じ、挑戦することにした」といい、「いま私は54歳。10年後、20年後も演じることができる役になるのではないか」。
今回の公演は、野田に芸術文化を広めたいと九團次さんが立ち上げた劇団アンチェインの旗揚げ公演になる。舞台に立つのは、プロの俳優のほか、今年4月の関宿城さくらまつりのオーディションで合格した市民らだ。現在の市民メンバーは約20人。「これからまだ増えてくる。舞台経験のある人、ない人、ひょうきんな人、武骨な人、それぞれの個性を見て配役を決めた」という。
劇団名の「アンチェイン」は「鎖を解く」という意味だ。「役者は、心が鎖につながれたままだと、演じることができない。心の鎖を破り、解放する。そんな思いを込めた」。これから毎年、野田で公演を続けていくつもりだ。
公演は、8月7~9日の午後1時から、野田市の興風会館で。全席自由席で、前売り券5000円(別途チケット配送手数料500円が必要)、当日券6000円。チケットの申し込みは携帯電話からのみ。電話番号など詳細は「永遠の微熱」のHPで。

