つくばエクスプレス20年 真新しい通り、いま「私たちの街」に

「NO.4」で乾杯し、盛り上がるTHE EGGMAN=柏市

 つくばエクスプレス(TX)が今年8月24日、開通20周年を迎える。柏市や流山市の沿線にできた真新しい通りは、笑顔あふれる「私たちの街」へと育っている。

ガード下に人の輪

 柏の葉キャンパス駅そばのガード下。焼き鳥屋や居酒屋など16店が約100㍍に軒を連ねる。店は3~8坪ほどと小さく、店主はカウンター越しに接客する。
 店の外にもテーブルが並び、夜風に当たりながら、別々の店に注文できる。
 通りの名は「柏の葉かけだし横丁」。店主と客が、店で出会った客同士が、新しいコミュニティーをつくる場になればと、2018年にオープンした。
 だし巻き玉子が看板料理のTHE EGGMANは昨秋にオープン。店主の飯島裕二さん(49)は「まだまだこれからの街」と出店を決めた。カウンター席はいつもにぎやかで、農業の男性(67)は「このエリアで働く若い人や研究者、医療従事者と、いろんな人と出会える」と楽しそうだ。
 兵六はもつ煮込みが絶品。店主の柳下拓巳さん(24)は「いろいろな国籍の方とスマホの翻訳アプリで話をしたり、年配のお客様の人生観に触れたりと、自分も成長できる」と笑う。
 横丁は今年5月、オリジナルドリンク「NO.4」を完成させた。TX開通前はゴルフ場の4番ホールだった場所。歴史を重ねながら、新しい人の輪が広がる。

 「NO.4」試飲券をプレゼント
 「NO.4」試飲券(5杯分)を読者10人にプレゼント。8月31日まで有効。応募フォームで「プレゼント希望」「2. NO.4試飲券」を選択。応募フォームはこちらから。

鉄板で料理する兵六の柳下拓巳さん=柏市

ママたちの音、笑顔つなぐ

流山おおたかの森駅前で演奏する、ながれやまマーチ=流山市

 流山おおたかの森駅前の広場。7月13日、ブラスバンドのワクワクする音色が響いた。楽器を奏でるのはママさんたち。演奏中にママの膝に乗って、踊りだす子も。バンドの名前は「ながれやまマーチ」。
 結成は2017年。松戸にあるママさんバンドのメンバーたちが「流山でも、子育てを共有しながら演奏するバンドをつくりたい」と立ち上げた。練習の合間には、笑い声とともに、音楽の話題や子育て情報が飛び交う。40人弱のメンバーは学生時代の経験者。社会人になり、子どもが生まれ、楽器から遠ざかっていた。代表の鈴来美帆さん(43)は「ママたちが音楽でつながり、親子でリフレッシュする場になれば」と話す。
 メンバーには流山育ちもいれば、移住してきた人もいる。粟田美帆さん(36)は「TXだと都内への通勤に便利」と、8年前に引っ越してきた。「マーチでは、気負いなく音楽を楽しむことができ、子どもの年齢が違うママたちとも知り合える」。新しい街で、ママたちの音が笑顔をつなぐ。

1日平均乗車人員40万超え

開業20周年記念トレイン=首都圏新都市鉄道提供

 沿線人口が増加
 TXの開業初年度の1日平均乗車人員は15万人だったが、昨年度は40万3千人と、初めて40万人を超えた。鉄道と一体で街づくりも進み、柏市沿線の北部地域では開業時に2千人弱だった人口が、2024年には2万7千人に。流山市はTX沿線に限ったデータはないが、この20年で約6万人の人口増となった。
 来春、運賃値上げへ
 TXを運営する首都圏新都市鉄道は、来年3月の運賃値上げを国に申請中。普通運賃と定期運賃を合わせ平均12・2%の値上げで、近年の経費上昇、施設の経年劣化対応のほか、2030年代前半を目指した8両編成化事業のためなど、という。

タイトルとURLをコピーしました