
松戸市千駄堀の自然公園「21世紀の森と広場」の遊び空間「あそびのすみか」が、子らに人気だ。周囲の自然と調和した遊具が2期に分けて整備され、昨年秋に全面オープンした。
おととしの7月に1期工事が完成。昆虫の巣穴に見立てた迷路をトンネルや滑り台で楽しむ「昆虫のスミカ」や、竪穴住居をイメージした円すい形のネットやつり橋で遊ぶ「縄文サークル」などが設置された。昨年10月には、地上10㍍から滑り降りる長さ50㍍のローラー滑り台「スパイラルフォレスト」や、バランス感覚が養われるネットクライム遊具「冒険トレイル」などが仲間入りした。
これらのオリジナル遊具は「子どもたちが自然に興味を持つきっかけに」と同市の聖徳大学の教授らが企画。名称募集には2065件の応募があり、小学4年の児童(現・中学2年)の作品「あそびのすみか」が選ばれた。「みんなが楽しく遊べたら」との思いを名前に込めたという。
市公園緑地課の担当者によると、1期工事として3つの遊具などが設置された2021年度に年間入園者数が初めて70万人を突破した。「あそびのすみか」人気を裏づけるデータだ。
取材したのは、春休み中の日曜。雲ひとつない青空が広がり、家族連れなどでにぎわっていた。広い芝生の広場に色とりどりのテントが林立。人気のローラー滑り台には順番待ちの長い列ができていた。
船橋市在住の山本高裕さん(34)は、家族4人で初めて訪れた。ローラー滑り台に挑戦した長男の悠生さん(現・小学2年)は「高くて怖かったけど、滑り始めたら景色がよく見えて楽しかった」。母・佐友里さん(35)は「水遊びの季節になったら、また来ようと思います」と話した。
園内の林から湧き出た水が小川となり、広場の真ん中を流れている。大型連休には水遊びを楽しむ子どもたちでにぎわいそうだ。