
ラグビー・リーグワンは11日、2部のNECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)の譲渡先にJR東日本が決まったと発表した。GR東葛は、2025~26シーズンの今季は現状のまま2部で戦い、シーズン終了後にJR東日本に譲渡される。26~27シーズンはGR東葛の成績が新チームに引き継がれる。
12月11日夕の記者会見の様子は「複数オファーからJR東日本に 社長『今からワクワク』」で。
JR東日本によると、ホストエリア(千葉県の 8 自治体)、チームが運営するアカデミーやファンクラブ、ホストスタジアム(柏の葉公園総合競技場)も引き継ぐ予定という。、新たなチーム名は決定次第、公表するという。また、NEC我孫子事業場内の練習グラウンドやクラブハウスはJR東日本に貸与されるといい、チームは引き続い、我孫子を練習拠点とすることになる。
GR東葛の太田治GMはHPにコメントを公表、「新たなオーナーとして手を挙げてくださったJR東日本に深く感謝する」とし、13日から始まる新シーズンに向け、「新オーナーへの最高の手土産となるよう、『D2優勝・D1昇格』を必ず達成する強い覚悟で臨む」と述べている。
JR東日本グループは現在、企業スポーツチームを5つ運営し、人材育成や競技人口のすそ野拡大、地域の活性化などに取り組んでいる。今回の譲渡についてJR東日本は「今後 、JR 東日本グループのお客さまや地域の皆さまの生活と幅広い接点を持つ強みをいかした新たな取り組みに積極的に挑戦することで、チームのさらなる発展を目指す」とのコメントを発表した。
ファンや地元市長、安堵と喜び
ファンの間でも、安堵と喜びが広がっている。練習場近くの天王台商店会の坂口こずえ会長(55)は「このままなくなるんじゃないかと不安だったが、譲渡が決まり、ホッとした。練習場も我孫子に残るようなので、うれしい。選手たちは今季、不安の中で戦うことはなくなったので、チームはD2優勝、D1昇格へ勢いをつけてほしい」と話している。
我孫子市の星野順一郎市長もコメントを発表。「市民にとっても大変うれしいニュース」とし、「今回の譲渡はGR東葛の新たな出発であり、チームのさらなる躍進を遂げるものと感じている。13日のホストゲーム開幕戦、これからの発展の思いを込めて応援させていただく」との思いを伝えた。
GR東葛を巡っては、8月20日にNEC本社が「譲渡に向けた検討を始めた」と発表。25-26年のシーズン終了後の譲渡を目指し、譲渡先が見つからない場合はシーズン終了後にリーグを退会するとした。NECの広報担当は「リーグワンではプロ化が加速しており、GR東葛も半数以上がプロ。同僚を応援しようとチームを運営してきた会社の方向性と、ずれてきた」と説明していた。GR東葛は、1985年に創部、ラグビー日本選手権優勝3回、マイクロソフトカップ優勝1回の実績がある。23-24年シーズンから2部で戦い、昨季は2部3位と1部との入れ替え戦出場に届かなかった。
GR東葛は今季初戦を12月13日、柏の葉公園総合競技場でレッドハリケーンズ大阪と戦う。
関連記事は
「リーグワン、NECグリーンロケッツの譲渡・撤退申請期限を来年2月末まで延期」(11月19日配信)
「GR東葛、D1へ向け発射式 HC『できることすべてを尽くす』」(10月25日配信)
「我孫子の商店会『地域になくてはならない』 ファンに波紋」(9月20日配信)
「グリーンロケッツ東葛の譲渡問題、GMが我孫子市に説明」(8月28日配信)
「グリーンロケッツ東葛、NECが譲渡検討 リーグへの申請期限12月」(8月20日配信)



