
NECがラグビーチームのNECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)の譲渡先を探している問題で、リーグワンは19日、リーグへの譲渡・撤退に関する申請期限を延期した、と発表した。新しい期限は来年2月末。NECは、譲渡先が見つからなければ今季限りでリーグから撤退する方針を明らかにしていた。今季は12月13日に開幕する。
リーグ退会の申請期限は定款で「退会しようとするシーズン開幕日の1年前までに、その旨を(リーグに)申請し、理事会の承認を得なければならない」とあり、チームを譲渡する場合でも、事実上、リーグ開幕前の理事会開催日である11月18日が申請の期限となっていた。これに対し、NECから「2025年8月のチーム譲渡検討開始以降、現在もチームの譲渡に向けた具体的な交渉が継続されている」として、期限延期を求められ、リーグワンは期限延期を決めたという。定款の退会規定には「やむを得ない事由があるときはこの限りではない」との但し書きもある。
リーグワンは「譲渡の実現を最優先し、その活動を最大限サポートするため、退会申請期限を2026年2月末まで延期することを決定した」と説明している。GR東葛はホームページで「本件に関しましては、進捗があり次第、改めて状況をお知らせする。引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします」とのコメントを出した。
GR東葛は、千葉県我孫子市に練習拠点があり、東葛エリアをホームタウンとしている。1985年に企業チームとして創部。2002年からは日本選手権優勝3回、マイクロソフトカップ優勝1回と輝かしい戦績を残したが、22~23シーズンには成績が低迷して2部に降格。23~24シーズンは1部との入れ替え戦で敗れ、24~25シーズンは入れ替え戦にも届かなかった。
チームは、今季の1部昇格を掲げ、オフシーズンに準備してきたが、8月20日、突如、NEC本社がチームの「譲渡に向けた検討開始」を発表。譲渡先が見つからなければ、25~26シーズン限りでリーグから退会する方針を明らかにした。理由についてNECは「ラグビーを取り巻く環境が大きく変化するなか、チームをさらに発展させていくのは困難と判断した」とした。NECの広報担当は補足として「リーグワンではプロ化が加速しており、GR東葛も半数以上がプロ。同僚を応援しようとチームを運営してきた会社の方向性と、ずれてきた」と説明していた。
リーグワンは12月13日に開幕、GR東葛はホーム柏の葉(柏市)でレッドハリケーンズ大阪と戦う。
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