(2024ベストアスリート3)全国中学生弓道大会 個人男子の部で優勝 佐藤 汰樹さん(14) =松戸市立栗ケ沢中学校3年=

 昨年8月の第21回全国中学生弓道大会(東京)個人男子の部で優勝し、技能優秀者に選ばれた。弓道は自分との戦い。不安や緊張を乗り越え、つかみ取った栄冠だった。
 7月の県大会優勝後の練習では、全国大会を意識するあまり的を外すことが多く、不安を抱えたまま本番を迎えた。予選は4射2回の計8本を放ち、5本以上の的中者が決勝に進出する。5射目を終えて的中2本と追いつめられながら、3射連続で28㍍先の直径36㌢の的を射抜いてみせた。
 実は自信があった。1回目の4射終了後、指導者の奥田繁樹さんから「少し引きが足りない」とアドバイスをもらい、矢が的の下方に落ちてしまう原因がわかったからだ。継続的中数を競う決勝では、3射連続的中で頂点に立った。
 優勝が決まった瞬間、喜びとともにこみ上げてきたのは、指導してくれた人たちへの感謝だった。「礼儀とか、生きる上で大切なこともたくさん教えてもらいました」
 3人兄弟の末っ子。兄二人も栗ケ沢中の弓道部で活躍した。道着で弓を引く凛とした姿にあこがれ、小学5年生のころには「僕も入ろう」と決めていた。
 水曜を除く週6日、学校内や松戸運動公園の弓道場で練習し、オフの水曜も筋力トレーニングを欠かさなかった。「日々の努力の積み重ねで、どんどんうまくなる」のが楽しかった。
 今後の目標や夢を尋ねると、こんな答えが返ってきた。「一生、弓道を続けていきたい。いつか、二人の兄と一緒に道場に立ってみたいですね」
 弓道は生涯の友――。そう思えるぐらい、魅力のある競技なのだろう。

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