千葉豪雨から1カ月。いま小欄をお読みいただいている方の中にも、被災された方がいらっしゃると思う。心からお見舞い申し上げます。
下水管は、生活排水と雨水を同じ管で流す「合併式」と、雨水だけを流す「雨水管」の2種類がある。雨水管の方が性能は上だが、大都市など古くからの市街地では整備が難しい。というのも、太いものでは直径3㍍に達する雨水管を道路の下に埋めるためには、すでにある上水道やガス管などを掘り返して雨水管を入れ、改めて既存の管を埋め戻さなければならないからだ。
この雨水管は1㌔整備するのに10億円以上かかるともいわれる。下水道の総延長1千㌔の柏市全域に埋設するのにいくらかかるか。そして、そんな非現実的な予算を投じても50㍉の雨にしか対応できない。
「百年に1度」といった大雨が頻発している。だが、現時点でそんな大雨の浸水被害から市民を守る手段は、ないのだ。
豪雨後、下水道部局には苦情が殺到した。「想定雨量を引き上げろ」という声もあった。だが、対応できない実情をご理解いただけただろうか。
防げない浸水被害。自分の命は自分で守る。冠水道路には近寄らない。そんな対応しかできない現実を日本はいま突きつけられている。
朝日新聞柏支局長 抜井規泰

