満開の桜。軽快な音楽。大勢の観客。ステージの上で子どもたちが筆を走らせ、みんなで作品を仕上げていく。3月30日、松戸書道キッズが書道パフォーマンスを初披露した。
松戸市の八柱さくらまつり。ステージに登場した書道キッズは、小学生から高校生までの23人。壇上には、畳4枚に貼られた真白な大きな紙が立てられた。音楽が始まると、高校生や中学生が、「桜」「花」「爤」「漫」の書を書いていく。小学生は「桜舞い」「散る」「春の風」などの言葉を、それぞれが分担して仕上げていく。ピンクの絵の具を手のひらに塗った子どもたちが、最後に桜の花を描いていく。約4分半のパフォーマンスが終わると、会場からは大きな拍手がわき起こった。
書道パフォーマンスは、高校の部活で活発に行われているが、小中学生が挑戦する機会はあまりない。小さいころから書道に親しんできた藤本優那さん(3月当時高校1年)と、歩結さん(同中学2年)の姉妹は、昨夏、地域のイベントで2人でパフォーマンスに挑戦。「もっとたくさんの人に見てもらいたい。小さな子たちも巻き込めないか」
市内五つの書道教室が協力してくれることになった。本番前の合同練習は2回だけ。それでも、パフォーマンスの流れをまとめた動画をもとに、それぞれが自宅でも練習を重ねた。
そして当日。松永琴美さん(同小学3年)は「緊張したけど、一文字目がうまくかけて、落ち着いた」。栗原結椛さん(同小学3年)も「最初、筆が少し震えたけど、楽しかった」と満足そう。歩結さんは「こんなに大人数の前で書を披露したのは初めて。またパフォーマンスをしたい」。
書道キッズをとりまとめた松戸伝統文化書道会の岡田崇花会長は「感無量。練習の時に、ああしたい、こうしたい、と思ったことを、子どもたちが全部やってくれた」と喜ぶ。
書道キッズは、今後も市内のイベントへの参加を検討している。
