
2011年の東京電力福島第一原発の事故による放射性物質で汚染された「指定廃棄物」を巡り、環境省は10月31日、松戸市が一時保管していた約125トンについて、指定廃棄物の指定を解除した。同市は今年度中に解除分を市外で処分する方針。処分されれば、千葉県内では初という。
指定廃棄物は、原発事故で発生した1キロあたり8000ベクレルを超える焼却灰や汚泥など。国が長期管理施設で管理することになっているが、千葉県内では設置場所が決まらず、各自治体が一時保管したままになっている。
松戸市には約944トンが市内のクリーンセンターとクリーンセンター跡で一時保管されている。このうち約553トンについては、自然に放射能濃度が8000ベクレルを下回ったとして、松戸市は3年かけて処分する方針を決めた。9月30日付で、今年度分として約125トン分の指定解除を環境省へ申請していた。解除によって、通常の廃棄物と同様の処分が可能になる。
処分業者や搬出先は非公表といい、同市は「業者や受け入れ先自治体から、安全に処理できる廃棄物であっても、風評被害が発生する恐れがあり、非公開を求められ、承諾した」と説明している。
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