東京世界陸上の男子100㍍に出場した守祐陽選手(21)は白井市出身。今年8月に10秒00を記録するなど一気に注目を集め、世界の檜舞台に立った。10月14日に市役所を表敬訪問した守選手に、世界陸上で得たものや今後の抱負などを聞いた。
守選手は七次台中、市立船橋高を経て、現在は大東文化大4年生。今年5月には追い風参考で9秒97を記録。8月には富士北麓ワールドトライアルで10秒00の自己ベストを出し、世界陸上の代表になった。
世界陸上は、自身初の世界大会。満員の国立競技場に入ると、自分を応援してくれる歓声が聞こえ、スタートラインに立った時は「幸せな気持ちになった」という。ところがスタート直前には一転、緊張で体が固くなった。前半で出遅れ、結果は10秒37。予選7位で準決勝に進むことができなかった。「世界の舞台に立って興奮し、その中で自分には冷静さが足りていなかった。他の選手たちは、冷静にレースを進めていた。今回の経験は次につながる」と振り返った。
守選手が陸上を始めたのは中学から。それまではサッカー少年だった。「サッカーはあまりうまくなかったけど、もともと走ることは好きで、足も速かった。中学では個人競技をしてみようと陸上部に入った」と話す。
高校、大学と毎年のように自己ベストを更新してきた。ただ順調な成長とは言えない部分もあった。「シーズン中のどこかで必ずけがをし、かろうじて記録を更新した」。けがで苦しい時期も「努力を継続する」ことを意識し、諦めずに陸上と向き合ってきた。「継続力には自分でも自信がある」。そして今年。「自分の体を理解することができ、けがのないシーズンだった。それが飛躍の年につながったのかも」
陸上競技をしている子どもたちに伝えたいことがある。「僕も最初から足が速かったわけでない。継続することで足が速くなり、結果が出る。結果が出ない時期もあると思うが、楽しさを忘れず、陸上を楽しんで欲しい」とアドバイスする。
来春からは実業団で陸上を続ける。「来年は、10秒0台を連発できるようなシーズンにしたい。9秒台はいつか出したいタイムだが、まずは自分の中のアベレージをあげたい」。その先の目標は決まっている。「2年後の北京世界陸上に出て、リベンジする。400㍍リレーは(補欠で)走ることができなかったので、次は日本の『リレー侍』として、しっかり本番で走りたい。そして、その次の年のロス五輪出場を目指し、力をつけていきたい」。力強く誓った。
「北京でリベンジを」世界陸上100㍍、白井出身の守祐陽選手 自身の強みは「継続力」



