
柏市の広報誌「広報かしわ」10月号が、「ベルサイユのばら」の世界観に覆われた。巻末で、市内で扱われているベルばらコラボグッズを紹介するだけでなく、巻頭特集の「国勢調査」の紹介でも、随所にバラの花が咲き誇る。創刊1700号の節目にと「感謝を込めた、バラ香る記念号」になっている。
「ベルサイユのばら」の作者、池田理代子さんは柏で暮らしていた時期があり、ベルばらは柏時代に描かれている。その縁で市内には昨年、ベルばらマンホール蓋が3カ所設置され、今春はマンホールカードも配布。市内外から多くのファンが訪れている。
1954(昭和29)年から発行している「広報かしわ」が、10月号で1700号になるのを記念し、「何かやりたい」と広報広聴課の担当者たちが検討した時に出たのが、ベルばらとのコラボだった。市内では、マンホール蓋以降、ベルばらとコラボした御朱印やポーチ、クッキーが登場、さらに盛り上がりをみせていた。
ただ、5年に一度の国勢調査が行われる時期。10月号の巻頭特集は「国勢調査」と堅いテーマに決まった。ベルばらとどうコラボさせるか。表紙の国勢調査紹介イメージを、ベルばら風に仕立てることにした。「国勢調査」の文字はベルばらっぽいフォントを探し、スマホを持つ手のイラストも優雅な貴婦人っぽくした。罫線は華やかなゴールドに。「ベルばらに興味のある人はもちろん、興味ない人も『きれいな表紙』と思わず手に取り、読んでもらえるように工夫した」と担当の成田莉奈さん。
巻頭の6ページの特集ページでは、5年前の国勢調査の時に池田さんが描き下ろした、オスカルらが登場する柏市用のリーフレットの一部も再掲。さらに見出しやスペースなど随所に、バラの花を散らした。
「やるなら32ページすべてをベルばらに」と、市役所からのお知らせやイベントなどの情報欄にも「邪魔にならないように、さりげなく」バラを配置。企画ページのキャラクターは、オスカル風の衣装をまとった。
池田プロダクションの了解を得ながら完成した10月号は、市内で9月24日から配布が始まった。30日現在、市民からは500件以上のコメントが寄せられ、ほとんどが「表紙のデザインがよかった」「国勢調査に興味はなかったが、今月号を読んで回答した」などの肯定的な意見だったという。
広報誌の担当リーダー、堀井啓介さんは「これからも親しんで読んでもらえるように、市の大切な情報を工夫しながら掲載していきたい」と話している。
10月号は柏市のHPからダウンロードできる。