我孫子の商店会「地域になくてはならない」 グリーンロケッツ譲渡検討、ファンに波紋 

我孫子市役所を訪れた太田治GM=我孫子市

 ラグビー・リーグワン2部、NECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)の譲渡検討が、8月20日、突如、発表された。譲渡先が今季開幕の12月までに決まらなければ、チームは今季限りで、リーグから姿を消す。練習拠点のある我孫子市やGR東葛ファンに、衝撃が広がっている。
 NECやリーグによると、GR東葛は今季、当初予定通り2部で戦う。譲渡された新チームが翌シーズンにリーグで戦うには、12月までの申請が必要。譲渡が決まらず、リーグを退会する場合も、期限は12月。
 NECはチームを手放す理由を、発表では「持続可能な形でチームをさらに発展させていくことは困難」と説明。NECの広報担当は「世界のトップクラスの選手がリーグに参加、プロを増やさないと勝てない。GR東葛も半数以上がプロ。同僚を応援しようとチームを運営してきた会社の方向性と、プロ化の方向性がずれてきた」と補足した。
 太田治GMは28日に星野順一郎・我孫子市長へ状況を報告した後、取材に対し、「譲渡に向け全力で頑張る。今季は2部優勝、昇格を目指す」と述べた。星野市長は太田GMに「長年にわたって我孫子にあるGR。チームが譲渡されても、我孫子にある練習場に残って欲しい」と伝えたという。
 ファンも動揺する。一部ファンは存続を求める署名活動を考えたが、NEC本社の方針変更は難しそうだと諦めたという。練習場近くの天王台商店会は、サポートカンパニーとして長年、チームを応援してきた。坂口こずえ会長(55)は「地域になくてはならないチームで、驚きでしかない。選手を応援するイベントを考えたい」。我孫子市に引っ越してきてからファンになった尾内保之さん(60)は「市内のあちこちで出会う選手たちは、気さくで優しい。この素晴らしいチームのDNAを、なんとかこの地に残して欲しい」。
 GR東葛は、日本選手権優勝3回、マイクロソフトカップ優勝1回の実績がある。23―24年シーズンから2部で戦い、昨季は2部3位だった。

タイトルとURLをコピーしました