新たな魅力 手賀沼に

 身近な自然として、多くの市民に親しまれている手賀沼。最近、新たな魅力や可能性が次々と生み出されている。休日には手賀沼に出かけ、ちょっと心と体をリフレッシュ!

SUPでゆったり

 バランスを取りながら、ゆっくり漕ぎだす。目の前に広がるのは手賀沼。風を感じる。街の喧騒が遠ざかる。新たな手賀沼の景色に心が躍る。
 手賀沼をSUPで楽しむ人たちを見かけるようになった。SUPは、サーフィンのようなボードを水面に浮かべ、その上に乗りパドルで漕ぐスポーツ。手賀沼の最西端、北柏ふるさと公園(柏市)を発着する体験クルージングも昨年から月1回、開催されている。通常は1人乗りのボードが使われるが、体験で乗るのは8人乗りのメガSUP。これなら幅が広く安定感があり、初心者でもボードから水に落ちることはまずない。 主催するてがぬまパドルクラブ代表の立石まさみさんは「ボードにはへりがないので、ボードに座って、足を水につけるのも気持ちいい」と話す。
 同クラブは、2019年から手賀沼でのSUPガイドを始めた。初心者として体験した人がボードを購入し、今では自分で手賀沼を楽しむことも。「夕暮れ時、沈む太陽が水面につくった光の道を漕いでいくのはとても魅力的」
 3~11月の週末、手賀沼東端の手賀沼フィッシングセンター周辺をガイドする。料金は90分、中学生以上5500円、小学生3300円。北柏ふるさと公園周辺のメガSUP体験は40分で1人1650円。申し込み、問い合わせはHPから。

メガSUPで手賀沼を楽しむ家族=手賀沼

ぬまカレーにはまって

ぬまカレー=手賀沼カレープロジェクト提供

 手賀沼流域のホウレンソウをたっぷり使った「ぬまカレー」が、今春、誕生した。
 手賀沼を盛り上げようという柏や我孫子の有志が、ご当地カレーに着目。昨年、「手賀沼カレープロジェクト」を立ち上げた。手賀沼流域は、県内でも有数のホウレンソウ産地。そこで、ホウレンソウのキーマカレーを作ることに。プロデューサーの波木香里さん(44)は、かしわカレー図鑑を発行するなどカレーに詳しく、都内の名店「デリー」にレシピ開発を依頼した。
 ぬまカレーを口に運ぶと、スパイスの香りがほどよく口の中に広がる。特製のひき肉は粗びきで、食感もしっかり楽しめる。まずはレトルトを「道の駅しょうなん」など、手賀沼周辺の店舗で販売しているが、人気のため品薄状態が続く。
 「ぬまカレー」の3原則も定めた。①我孫子、印西、柏のホウレンソウを使う②緑など手賀沼の自然が表現された色にする③ドロッとしたホウレンソウのキーマカレーである。一般の飲食店にも、それぞれの店の「ぬまカレー」を出してもらうことも目指す。
 「ぜひ、ぬまカレーのおいしさの沼にハマってみてください」と波木さん。

太鼓に心はずんで

昨年の手賀沼太鼓サミットでの演奏=実行委員会提供

 音楽シーンでも新たな動きがある。手賀沼をのぞむ丘で5月24日、25日、「手賀沼太鼓サミット」が開かれる。2回目となる今年は、2日間にわたっての開催となる。
 会場は、5世紀に造られた金塚古墳や中世の根戸城の跡が残る、JR北柏駅に近い我孫子市の林の中。以前は荒れていた林を、周辺地域で活動する3団体が地権者の了解を得て、下草刈りや倒木の片づけなどをしてきた。林は「北星照ラス」と名付けられ、開けた空間ができると子ども向けの野外映画上映会などもするようになった。
 手賀沼周辺エリアに、和太鼓の団体がいくつかあることから、昨年、初めて太鼓サミットを開催。約千人が林を訪れた。
 今年は24日を前夜祭として、午後4時から、プロの和太鼓奏者・中嶋初穂さんや日本舞踊の若月仙之助さんらが登場。25日は午前10時から、我孫子市や柏市など近隣の9団体が次々と演奏し、最後に合奏も予定されている。
 サミット実行委員会は「手賀沼をのぞむ丘の上は、人の暮らしと自然とのバランスがちょうどいい場所。そこで太鼓の音を感じて欲しい」と呼びかけている。入場無料。雨天中止。詳細はSNSで。

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