「柏に美術館を創りましょう」 市民有志によるキックオフミーティング

 約43万の人口を有する柏市は2008年、船橋市に次ぐ県内2番目の中核市に移行。商業都市としてにぎわいをみせる街に、美術館も博物館もない現状を憂い、市民グループ「柏の文化を育てる会」(三坂俊明代表)が「柏に美術館を創りましょう」と呼びかけ10月20日、同市花野井の大洞院本堂でキックオフミーティングを開催した。
 当日は、呼びかけに賛同した柏商工会議所前会頭の寺嶋哲生さんや、版画家の大野隆司さん、元小学校長の石井礼子さん、書道家の今泉岐葉さん、県立西部図書館元館長の三浦章宏さん、彫金家の遠藤裕さんら22人が集まり、美術館構想への熱い思いを語り合った。
 これまでも「市立美術館が欲しい」という市民の要望は多々あり、署名活動なども展開されたが、残念ながらその願いは叶っていない。呼びかけ人代表の三坂さんは「文化施設を充実して、潤いのある首都圏の文化・芸術都市に昇華・発展・活性化したい」と話し、ちょうど第6次総合計画を策定中の柏市へ、市民の声を届けるチャンスでもあるという。三坂さんはパブリックコメント(意見)募集にもエントリー済みだ。
 参加したロボットアートの樋口雄一さんは「SNSでコミュニティーづくりから始めてはどうだろう」と提案、私立幼稚園などを運営している片岡達生さんは「美術館見学で子どもたちとアーティストとの交流ができる場になれば」と期待を寄せた。たけしま出版の竹島いわおさんは「まず維持保管できる場所の確保からスタートできれば」との具体的な声も多くあった。
 今後の展開について三坂さんは「もっと多くの方に参加してもらって、年明けの3月ごろに『柏に美術館を創る会』を発足したい」と広く呼びかけている。
 問い合わせは、事務局の大洞院(04・7132・5868)まで。

柏市所蔵 主な作品
型絵染の人間国宝芹沢銈介約600点をはじめ、棟方志功約60点、堀田清治約30点、塩水流功約60点など、約800点の作品を所蔵。沼南庁舎内の郷土資料展示室で企画展などを開催している。
★砂川コレクション第31回芹沢銈介作品展
来春3月末~6月は、砂川コレクション第31回芹沢銈介作品展「吉祥文様」を中心に開催予定。入場無料。月曜休館(祝日、振替休日は開館)。郷土資料展示室(04-7191-1450)

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