(月刊太陽王)後半44分、指揮官の指示とは? ルヴァン杯、レイソル5年ぶり準決勝へ

アディショナルタイムに決勝弾を決めた戸嶋祥郎

 最後までゴールを追い求めた。ルヴァンカップ準々決勝。柏レイソルは横浜F・マリノスとの第1戦を4―1で勝利。9月7日のホームでの第2戦は、0―0でアディショナルタイム(AT)に突入し、準決勝進出をほぼ手中に収めていた。それでも勝利を諦めぬ男たちは、最後に決勝弾を放ち、見事2戦2勝で準決勝進出を決めた。
 準決勝第1戦はMFジエゴの先制ゴールを皮切りに、FW瀬川祐輔のPK、FW垣田裕暉の2ゴールと4―1で快勝。第2戦は、敗れても2点差以内であれば、準決勝に進むことができるアドバンテージがあった。リカルド・ロドリゲス監督は「今日の90分、勝ちに行こう」と選手たちをピッチに送り出した。ただこの日重要なのは「失点せずに試合を進めること」でもあった。前半から選手たちは守備に集中。後半はいい形で攻め上がる場面も見られたが、0―0のままATに。
 ただ、AT直前にピッチへ送り出されたMF小見洋太に、指揮官は二つの指示を出した。守備への貢献と、相手DFラインの背後にできていた大きなスペースへの飛び出しだった。
 AT1分。その小見が右サイドの相手DFラインの裏へ抜け出した。中を見ると「みんなが走っていた」。パスを中央へ。後半38分に途中出場したMF戸嶋祥郎は、疲れがみえた横浜DF陣が一瞬止まったように感じた。走り込み、右足でゴールにけり込んだ。
 ロドリゲス監督は試合後、「予想通り、難しい試合になった。多くのチャンスを作れた試合ではないが、最後にしっかりゴールを決め、準決勝に進出することができてとてもうれしい」と喜んだ。
 準決勝は、川崎フロンターレを相手に、10月8、12日にホーム&アウエー方式で戦う。レイソルは、ルヴァンカップで1999年と2013年に優勝。準決勝に進むのは、準優勝した2020年以来5年ぶり。

浦和・福岡に連続逆転劇 J1リーグ戦

 リーグ戦は、9月12日のアウェー・ヴィッセル神戸戦を0―0で引き分け、15日現在で3位につけている。
 8月22日の第27節、ホームでの浦和レッズ戦は劇的展開だった。前半で2失点すると、ハーフタイムにロドリゲス監督は「俺たちは逆転できる。3点は取れる」と檄を飛ばした。後半、次々に交代選手を投入し、攻撃のテンポをあげると、一気に4得点で試合をひっくり返した。「クラブの歴史に残り、試合を見ていた人の記憶に残る試合だった」とロドリゲス監督。
 31日のアビスパ福岡戦も再びの逆転劇だった。セットプレーでの先制点を許したものの、前半のうちに同点に追いつき、最後は瀬川のPK弾が相手GKの手を吹き飛ばして、逆転した。
 リーグ戦は残り9試合。

浦和戦で同点ゴールを放つ細谷真大
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