●手術と変形性膝関節症の関係
Q.去年半月板損傷で手術を受け半月板を一部切り取りました。今は調子が良くスポーツにも復帰していますが、将来は変形が出ると言われました。どのような事なのか教えてください。 (高校1年バスケット部男子)
A.変形と言うのはおそらく変形性膝関節症のことだと思います。スポーツ外来での頻度は低いのですが、高齢者で膝が痛い方の場合は、ほとんどがこの変形性膝関節症で、一般の外来では非常に多くみられます。今回は、この変形性膝関節症についてお話しましょう。
骨の表面には軟骨が付いていて関節がスムーズに動くようになっています。この軟骨がすり減ると痛みが出るようになり、それと同時に骨が出てきて関節の変形を生じます。年齢が若い場合、膝を酷使すればするほど発症しやすくなります。
半月板を損傷すると、将来変形性膝関節症になる確率が高くなります。これは手術をしてもしなくても普通の人よりなり易いのですが、手術をした場合の方がその確率は低くなります。変形性膝関節症にならないための、あるいはなってしまった場合も、それ以上悪くしないための方法をお話しします。これは高齢者の方にも必要なことですのでぜひ試してみてください。

日常生活でできることは3つあります。1つはやせること、あるいは太らないようにすること、2つめは太ももの筋肉を付けること、3つめは正座をしないことです。具体的に言いますと、すでに太っている場合はカロリー制限を行い、自転車や水泳、ウォーキングなどを無理なく長時間行うことで体重を落とします。これは筋トレにもなります。2つめの、太ももの筋トレは体重をかけないで行うことが大事です。足首に錘(おもり)をつけて仰向けになり、片足ずつ足を上げ10秒止めてから、ゆっくり下ろす方法が良いでしょう。それを左右20回繰り返し、筋肉がついてきたらこれを2セット3セットと増やして行きます。それでも痛みが取れない場合は整形外科を受診した方がいいでしょう。
治療は、リハビリで温熱療法や低周波などを行いますが、ご自分でなかなか筋トレなどができない方には運動療法も行っています。またO脚変形の強い場合は、足底板(インソール)を作って矯正を行った方が良いでしょう。痛みの緩和には飲み薬や湿布薬のほかに、膝に軟骨を保護するヒアルロン酸を注射すると楽になります。グルコサミンも効果のある方はいらっしゃいますが、3カ月服用しても効果がないようでしたら、中止された方がいいでしょう。
現在、このように治療法が確立されていますので、ご質問の方も多かれ少なかれ変形性膝関節症にはなると思いますが、過大な心配は御無用です。

