
聴覚障がい者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」が、11月15日に開幕する。男子サッカーには、野田市出身の瀧澤諒斗選手(21)=亜細亜大4年=が、大けがからの復活を果たして代表入りした。
瀧澤選手は生まれつきの難聴。兄の影響で5歳の時からサッカーを始め、大学でも健常者と同じサッカー部に所属し、FWとしてプレーしてきた。大学2年の2023年には、デフサッカーW杯の日本代表に初選出され、3試合に出場、準優勝に貢献した。昨年のアジア大会は優勝。デフリンピックに向け、さらに飛躍しようとしていた今年2月、右ひざを大けがした。
「これまでの努力が水の泡になった。絶望しかなかった」。一気に落ち込んだ。しかし家族や友人、日本代表の仲間たちの励ましが力になった。「みんなからもらったパワーが、モチベーションに変わった」。リハビリでは、上半身の体幹トレーニングに力を入れ、筋肉量も増やした。ドリブルで当たり負けしない体が出来上がった。7月末発表の代表メンバーリストに、瀧澤選手の名前があった。
デフサッカーは「音のないサッカー」。ピッチ上でのコミュニケーションは、アイコンタクトやジェスチャー、手話だ。「どういう時に、どこにボールを出すのか、普段からのコミュニケーションが大切」
日本はイギリス、イタリア、メキシコと同じAグループ。「厳しいグループだが、ここを勝ち抜き、優勝を目指す。耳が不自由な子どもたちに『日本代表になりたい』と夢を持ってもらえる存在になりたい」



