
イスラエルのガザ侵攻が激化し、6万人を超える住民が死亡したといわれるなか、東葛の地から抗議の声を上げようと、毎週金曜日、JR柏駅前に立ち続ける市民がいる。少しでも多くの人に自分の意志を表してもらおうと、シールを貼ってパレスチナ国旗を作る「シールアクション」にも取り組む。
市民グループ「パレスチナに心をよせる東葛市民の声」は、2023年11月、一人の市民の活動から始まった。柏市在住の児島憲一朗さん(70)。前月にイスラエルがガザ侵攻を開始すると、最初は都内での抗議活動に参加した。まもなく、抗議のプラカードを持って、それぞれの地域に立つ人たちの姿が、SNS上で見られるようになった。「自分も柏でやってみよう」
パレスチナ問題には以前から興味があり、地域の歴史や問題を学んできた。これまでも、特定の団体に属することなく、抗議行動があれば、個人で参加してきた。「現地の映像を見ると、心に迫るものがある。何かできないか」。そんな思いに駆り立てられた。
柏駅前に立ち始めると、「一緒に抗議の声を上げたい」という人の輪が、少しずつ広がってきた。今では毎週金曜日午後6時からの街頭活動に、約10人が参加するようになった。
今年7月からは、横70㌢、縦35㌢の紙に、赤、黒、白、緑の丸いシールを貼ってもらい、パレスチナ国旗を作る「シールアクション」も始めた。すでに約500人が参加し、少しずつ国旗の形ができてきた。
提案したのは、メンバーの若井正幸さん(69)=柏市在住。「ガザの問題に関心を寄せている人は多いはず。その気持ちを可視化できるのでは」。実際にシールを張った大学生の男性(20)は「ニュースやユーチューブで映像を見て、怖い状況だと感じていた。何かしたかったので、シールで気持ちを表現できてよかった」と話す。
児島さんは「私たちが求めているのは、即時停戦と日本政府によるパレスチナ国家の承認。多くの人が声を上げることで、イスラエルや日本政府に圧力をかけたい。そのためにも、シールアクションに協力して欲しい」と呼びかけている。パレスチナ国旗ができたら、都内にある駐日パレスチナ代表部に持参する計画だ。
抗議活動は第1、3、5金曜日は柏駅東口。第2、4金曜日は柏駅南口。午後6時から7時まで。