
東京2025世界陸上の110㍍障害に出場した松戸市出身の村竹ラシッド選手(23)=LAL=が、16日夜の決勝を13秒18でフィニッシュし、5位に入賞した。惜しくもメダルに届かなかったが、母校の松戸一中の体育館で開催されたパブリックビューイングで応援していた市民は、ゴール後、温かい拍手を送っていた。
15日の予選では、13秒22で2位で予選を通過。準決勝でも落ち着いた様子でスタートラインにつき、後半からの追い上げで13秒17を出し、全体の3位に。小学校で陸上をしている市内の石井千翔さん(小6)は決勝に臨む村竹選手に「決勝も、松戸の代表として頑張ってください」とエールをおくった。
約1時間半後の決勝では、選手がスタートすると、PV会場は「ウォー」と空気が震えだし、スティックバルーンの音が響き渡った。ゴールの瞬間、メダルに届かず一瞬静かになったが、すぐに大きな拍手が響いた。
中学3年の時の同級生、白井智深さん(23)は「決勝で走り出したら、自分でも分からないけど、涙があふれてきた。中学時代は、人の話をよく聞いてくれる優しい人。今日の走りは、とてもかっこよかった。次の北京世界陸上、ロス五輪に向け、陸上を楽しみながら頑張ってもらいたい。そして松戸の子どもたちにメダルを持ってきて欲しい」と話した。
村竹選手は松戸市の相模台小、松戸一中、松戸国際高で学んだ松戸っ子。小学5年生の時に担任に誘われて陸上を始め、中学時代から障害走に取り組んだ。高校3年になると全国高校総体で14秒04を出し、高校チャンピオンになった。
その後、順天堂大へ進み、JALへ。パリ五輪では日本勢として初めて決勝へ進み、5位に入賞。そして今年8月の福井での大会では、日本記録となる12秒92をたたきだし、初めて12秒台の世界へ飛び込んだ。
松戸市陸上競技協会の大越啓史会長は「松戸の陸上競技場で競技の第一歩を記した選手が、あの身長でも、日本人でも、ハードル競技で世界に羽ばたけることを示してくれた。我々指導者にとっても、気持ちを高めてくれた」と話していた。




