触って聴いて、鳥を体感 我孫子市鳥の博物館にバードカービング+鳴き声装置

 視覚に障がいのある人でも、鳥の鳴き声を聞き、触って感じることができる、バードカービング(鳥の彫刻)とセットになった鳴き声装置が、3月24日から、我孫子市鳥の博物館に設置された。展示はヒヨドリやカルガモ、オオバンなど10種類で、カワセミに触れた視覚障がい者は「流線形ですごい」と驚きながら、鳥の世界に引き込まれていた。

 バードカービングはすべて実物大で、細かな彩色も施され、自由に触ることができる。市内在住の野鳥彫刻家、内山春雄さんが制作した。鳥の前にあるボタンを押すと、鳥の名前と鳴き声が聞こえるようになっている。

 公開初日の24日には関係者によるお披露目式があり、星野順一郎市長は「健常者でも『声はよく聴くが、形が分からない』という人も多い。目が不自由な方も、健常者も、実際に触れ、聴いて、楽しんで欲しい」とあいさつ。視覚に障がいのある飯島香利さん(62)は「カワセミって意外と小くて、カラスはやっぱり大きかった。くちばしがすごく尖っていて、だから虫をつつくことができるんですね」と感じていた。

 内山さんは制作にあたり、多くの人が触ることから、少しで長持ちするように通常の作品より絵の具を厚めにし、足には金属を使い、質感が分かるような細かな加工も施した。春山さんは「視覚に障がいのある人にとっての鳥は、名前や鳴き声は分かっていても形が分からない、不思議な世界。ここで鳥に触ることで、初めて鳴き声と立体の形が結びつけることができる。バリアフリーの博物館への第一歩」と話した。

 博物館には、鳥の鳴き声が分かる常設展示の装置があったが、老朽化して一部の鳴き声が聞こえなくなっていた。またイベント用に、触って鳴き声を聴くことができるバードカービングも数種類あったが、こちらも装置の故障で鳴かなかったり、彩色されていなかったりしたため、近年では使われなくなっていた。そこで昨年10~11月、博物館が「触って、聞いて楽しめる鳥の鳴き声装置を設置したい」とクラウドファンディングを実施。目標額270万円に対し、84人から計273万3000円が集まり、今回の事業費にあてることができたという。

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