
市役所新庁舎の移転計画を一度白紙撤回した松戸市は、建て替え場所の再検討に向け、11月28日、有識者プロジェクトチームの第1回懇談会を開催した。新庁舎を巡っては、現地建て替えかJR松戸駅東口の新拠点ゾーンへの移転かで議論があり、今後、両案を比較するデータをそろえ、市民や同チームから意見を聞き、市議会とも協議し、新庁舎建設場所を決めるという。
新庁舎計画は、本郷谷健次・前市長時代に新拠点ゾーンへの段階的建て替えを決めたが、市民への説明が不十分などの反発があり、今年6月の市長選で白紙撤回を掲げた松戸隆政氏が初当選し、白紙に戻っている。
市は市民が分かりやすいように2案をデータで比較することにし、事業費や事業期間のほか、どのような項目で比較するべきかを、今月、市民にアンケート。その結果を踏まえ、都市計画や公共デザインなどの専門家4人によるプロジェクトチームをつくり、この日、さらに比較するべき項目について、意見を聞いた。
この日の懇談会では「災害時の拠点として、他地域からの支援を受け入れるアクセス道路などの視点も必要では」「松戸駅からのアクセスでは、徒歩や自家用車だけでなく、公共交通機関や自転車など、移動手段別での検討もしては」などの意見が出された。すでに市民から寄せられている地盤構造や駐車場台数、周辺道路の混雑状況などの項目と合わせ、今後、比較項目を決めるという。
そのうえで、2案を比較した資料をつくり、2月開催予定の同チームの懇談会の前に、まず市民から意見を募り、さらに懇談会で各メンバーから意見を聞く。市はそれらの結果をまとめ、市議会と協議したうえで、最終的な建設場所を決めるという。



