
高度な再生医療の技術を持つ米国企業セラレスの日本法人「セラレス・ジャパン」が、柏市の柏の葉地区に2027年、開発製造拠点と本社を開設することになった。5月30日、セラレス・ジャパンと三井不動産、柏市が発表した。
セラレス・ジャパンが開発製造するのは「再生医療等製品」と呼ばれるもので、患者の細胞や組織を加工し、病気の治療などに使う。発表によると、同社は製造工程を自動化することで、製造にかかる時間を短縮、迅速に患者に提供できる技術を持つという。
現在は、がん患者から採取した血液細胞を米国に輸送して対応するケースがあるが、順番待ちや輸送時のトラブルなどのリスクもあるという。柏の葉ライフサイエンス協議会の土井俊彦会長は「セラレス社によって国内で製造・供給が可能になれば、がんの免疫細胞療法における課題が解決できる」とのコメントを寄せている。
開発製造拠点は、柏の葉に三井不動産が建設中の「三井リンクラボ柏の葉2」に入居し、2027年開業を予定する。従業員数は段階的に増やし、約400人を見込む。
太田和美・柏市長は「セラレス社という先進的な技術を持つ企業が、アジア初の拠点として柏の葉地区に進出したことは、ライフサイエンス拠点化に向けたまちづくりをしてきた柏の葉地区の成長をさらに加速させる」と期待する。