白みりんの魅力、五感で 3月29日、流山にミュージアム

 和食に欠かせぬ調味料、みりん。ちょっと地味だけど、料理を縁の下で支える存在。その魅力を、五感で体験できる「白みりんミュージアム」が、「白みりん発祥の地」流山市に、3月29日オープンする。
 「白みりん」は、江戸時代後期、現在の市役所に近い流山本町で誕生。「万上」の堀切家、「天晴」の秋元家が、江戸に広めた。それまでのみりんは、大阪や名古屋方面から運ばれ、色は濃かったが、澄んだ流山のみりんは「白みりん」として、江戸の食文化を支えるようになった。現在は「本みりん」として一般家庭にも広がり、料理に上品な甘み、深いコク、てりとつやを与えてくれる。
 新たに開館するミュージアムは、みりんの味わい深さにたっぷり触れることができる。体験型の有料展示エリア(大人300円、小~高校生150円・予約制)は、約50分かけてガイドが案内。みりんを含む3種類の調味料の香りをかぎ分けたり、製造工程を模型と映像で学んだりできる。
 流山にゆかりのある俳優が、白みりんを生んだ堀切紋次郎を演じるオリジナルドラマも上映。存在感があるのは、かつて使われた木桶を再現したスギの桶だ。高さ2㍍、上部の直径2㍍もの大きさで、木桶の上部では撹拌の作業を疑似体験できる。
 キッチン「かもしアエール」では1回550円(約40分)で、みりんを使った調理体験もできる。
 無料エリアでは、みりんのソフトクリームや市内にあるお店が扱う逸品を販売する。
 ミュージアムがあるのは、今もみりんを製造する流山キッコーマンの工場隣接地。近くには、「天晴」の秋元家と俳人小林一茶の交流をしのべる「一茶双樹記念館」や、新選組の近藤勇が最後の陣を敷いた陣屋跡などがある。ミュージアムはこの地域を回遊する拠点にもなるとして、市が整備した。
 川浦智子館長は「みりんは素材の味を生かし、料理をまとめてくれる調味料。その効能、面白さ、新しい魅力を、極限まで体験して欲しい」と話す。
 開館は9〜17時。休館は原則月曜日。流鉄流山線平和台駅から徒歩5分。駐車場はないため、車で来場する場合は近隣の有料駐車場へ。詳細はホームページで。

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