
我孫子・柏には、かつて多くの文人らを魅了し今も近隣市民にも親しまれている手賀沼がある。
大正、昭和に活躍した浮世絵師、川瀬巴水が描いた頃の美しい手賀沼への再生から創生まで、環境や自然を題材にしながらサスティナブルな未来をみんなで考える市民大学がスタートした。
開校式は5月12日、あびこ市民プラザホールで基調講演とシンポジウムが行われ、市民約100人が参加。『だれと出会い 何に気づき どう生きるか』をコンセプトに、手賀沼の文化的・経済的な価値を再認識し、手賀沼の恵みを活用しながら官・民・学が協力し、次世代へと引き継いでいこうと語り合った。
同校理事長で国際新版画協会長の鈴木昇さんは川瀬巴水の描いた美しい「手賀沼」を紹介し、環境や自然を題材に多くの人との交流を通して学びつつ、人間創生に通じるものがあると話した。
シンポジウムは鈴木さんをはじめ、星野順一郎我孫子市長、奥田謁夫柏市副市長、安田陽一日本大学理工学部教授、染谷智幸茨城キリスト教大学教授ら5人がパネリストとして登壇。次の5本の基本方針を掲げ、それぞれが発言した。
①「手賀沼の魅力」の情報発信②手賀沼に「生涯教育」の場を創出③手賀沼を生かした産業の育成④広域を水路でつなぐ舟運の復活⑤行政への政策提言。
シンポジウムに参加した都内在住の富樫淑子さん(74)は、「とても参考になりました。市民が大学という拠り所をもとに協力すれば困難なプロジェクトも可能になるのではないか」と感想を述べた。同大理事長の鈴木さんは「地に足をつけた取り組みをやっていきたい。一個人の力は弱くても大学があることによって可能性が広がる。市民全体が勉強する姿勢が大事」と意気込みを語った。
今後の主な講座開催は、次の通り。
◆手賀沼再生と川瀬巴水7月6日(土)12時30分~14時30分・パレット柏会議室
◆船による川の活用(子どもも対象)7月27日(土)15時30分~17時30分・アビスタ
講座は毎月開催している。申し込み、詳細は、同大学事務局(04・7146・6800・水・日定休)へ。